せきは、のど、気管、気管支、胸膜のどこかの刺激によって出るものです。気道に炎症があって分泌物をともなうと、これをたんとして吐き出します。せきはたんをともなうときと、たんのないときがあり、たんの出ないせきをからせきといいます。血圧降下薬のなかには、副作用で空せきをおこしやすくするものもあります。
たんにもいろいろあって、鼻から下がってくるたん、水のような薄いたん、粘液、うみ、泡、血液、腫瘍片や異物を含むたんなどいろいろで、たんの検査は病気の診断にも極めて大切です。
◎風邪を引いたとき
せきとたんを出すいちばんふつうの病気はかぜです。かぜが長引くときは、なかに感染症が加わったか、マイコプラズマ肺炎など特殊な肺炎か、もともと肺や心臓病の病気があって治りにくいか、何かわからない病気が隠れているか、よく調べてもらう必要があります。
◎特にたんを多量に出す病気
気管支拡張症のときは大量のたんが出ます。肺膿瘍で悪臭のする汚い膿のようなたんが出るときは、病原菌についてよく調べる必要があります。
副鼻空や扁桃の病気でもたんを多く出すことがあります。
◎血たんを出す病気
肺がんのはじめの症状として、血たんがあります。また、心臓弁膜症の進んだ時期には、時々血たんを出し、肺結核と間違えられることがあります。今はまれですが、寄生虫病の肺吸虫症では、せきとたん、特に血たんがでます。