汗の分泌をうながす中枢は脳にあるので、精神的に脳が刺激されると汗をかきます。驚いたとき、緊張したときには汗がでます。
また、高い温度が直接に汗腺にはたらいても汗の分泌が起こります。労働や運動ででる汗は生理的なもので、病気ではありません。太った人は汗をかきやすい、といったこともあります。
◎汗をほとんどかかない
汗腺の発育が悪く体質的に汗をかかない人もいますが、下痢や嘔吐が続いて脱水状態になり、汗が少なくなることがあります。
特に子供や高齢者は脱水になりやすいので、注意しましょう。甲状腺機能低下症では、さむけ、不活発、脈が遅い、むくみなどの症状とともに、また尿毒症では、むくみ、動悸、無尿などとともにみられます。
また、汗は自律神経によって調節さていますので、自律神経そのものの異常でも、汗がでなくなることがあります。体の片側だけ汗が出なくなる場合は、末梢の自律神経障害が疑われます。
◎汗が多い
全身に汗をかく病気としては感染症などによる発熱性疾患のほかに、動悸、眼球突出や甲状腺のはれのみられるバセドウ病、まひや意識障害をきたす脳卒中のあとなどがあります。肺結核などの慢性の消耗性疾患でも寝汗をかきます。
子供でも、疲れすぎたときには暑くなくても大量の寝汗をかくことがあります。
◎汗の色とにおい
神経質な女性で、目のまわり、ひたい、わきの下、股、陰部、口、鼻の周囲などに薄茶色のついた汗をかく人がいます。これを色汗症といいます。色のある薬を飲んで、その色のついた汗をかくことがあります。
汗は時間がたつと、誰でも多少の匂いが出るものですが、わきがのようにアポクリン腺から出る汗は鼻をつくにおいがあります。
皮膚がんなど皮膚病の場合にも悪臭を発します。