腎臓は体内でできた老廃物や不必要なものを尿として体外に出しますが、同時に体液の量と質を一定に保つようにします。したがって、尿として出された水は、体内の不要物質のみでなく、必要物質をも含むと同時に、その量はからだの必要によって増減します。
一日の尿量は、健康成人で平均1500mlくらいですが、厚いときや運動をして汗をかき水を飲まなければ減ります。水をよけいに飲んだり、緑茶や紅茶など尿を多くする成分を含むものを飲んだら尿が増えるのは当然です。
◎回数や量が多い
尿は、腎臓から出て尿管を通り、膀胱にたまったものが、一日数回尿道からでます。その回数はあまり変わりません。膀胱炎などがあると、排尿のとき痛んだり、排尿刺激が増すので排尿回数が増えます。
また男性が年をとり前立腺肥大症などがあると、十分に圧を加えないと尿がでにくくなり、排尿に時間がかかり十分に出てしまわないので一度に少ししかでず、夜寝ていても、起きて何度でも少しずつ排尿することになります。
尿量が異常に多くなる病気には糖尿病、慢性の腎臓病、尿崩笑などがあり、特に尿崩症では一日10リットルに達することがあります。
◎回数や量が少ない
尿量が少ないと、膀胱の刺激が起こらず、排尿回数が減ります。腎臓が本当に悪くて尿毒症の末期ともなれば、乏尿となります。また腎臓はなんともなくても、尿道に石がつまったり、排尿を起こす神経経路に障害が起こったりすると、尿が膀胱にいっぱいたまり、しかもでないということもおこります。これを尿閉といいます。
尿道から細いカテーテル(ゴムやプラスチックの細管)を入れて、取り除くこともあります。尿量が異常に少なくなる病気としては、急性腎炎、ネフローゼ、腎不全の末期、肝硬変、うっ血性心不全、出血多量のとき、やけど、日射病、膀胱ガン、尿道結石、尿道狭窄、脱水症などがあります。