脳・神経の異常は、手足の麻痺や意識障害、言語障害などから気づかれます。経過として急に起こってくるものと、気がつかないうちにだんだんおこってくるものがあります。
脳卒中などの血管障害は、脳・神経系の病気のなかでももっとも急に始まるものです。比較的急なものとしては、脳炎、髄膜炎などの急性の感染症・炎症の場合があります。ゆっくり始まる代表的なものは変性疾患で、パーキンソン症候群などがあります。内分泌・代謝異常、中毒、老化現象によるものもそうです。
症状に波のある場合としては、血管障害の再発の繰り返しや脱髄疾患がその代表的なものです。その現れ方は、大脳から末梢までの運動神経のどこかに障害があると、原因に関係なく、そのいく先の筋肉が運動する力を失います。
◎知覚鈍ま
知覚神経のどこかに病変・障害があると、それに応じて視力、聴力、知覚、嗅覚など感覚の障害が起こり、感度がにぶくなったり、しびれたり、痛んだりします(手足のまひ)。
病気としては、知覚障害、視力障害、手足の麻痺などの症状を繰り返すことが特徴的な多発性硬化症、触った感じはわかるが温覚や痛覚や傷害される脊髄空洞症、バランス感覚や排尿障害を伴う脊髄ろうや梅毒があります。自律神経の障害では、腹痛、吐き気、下痢、脈拍異常、血圧変化その他の循環障害、発汗など全身の調節が悪くなります。脳の高度の障害では意識障害、発熱、失禁など、反射神経の故障ではけいれん、めまい、硬直化などの症状を現します。
◎脳・脊髄の血管障害によるまひと意識障害
脳内に出血するため意識障害、こん睡状態、呼吸困難、けいれん、嘔吐、発熱、異常発汗などをともないます。
高血圧の人が突然活動時に発症することが多い脳出血、高血圧など生活習慣病によっておこってくる脳動脈硬化症、半身麻痺や言語障害を伴う脳梗塞(脳血栓、脳塞栓)、激しい頭痛で発症するくも膜下出血、症状が二十四時間以内に消失する一過性脳虚血発作などがあります。