◎炎症による頭痛と発熱
脳腫瘍は頭痛、嘔吐、視力障害などで始まります。感染症の代表は脳炎と髄膜炎で、発熱、頭痛、けいれん、頭の強直、意識混濁を起こす危険な病気です。このほか、中耳炎や先天性心疾患に合併する脳膿瘍などがあり、進行まひ、脊髄ろうなどの梅毒やポリオなどもあります。
◎脳・神経・筋の変性疾患
パーキンソン症候群、脊髄小脳変性症が代表的な変性疾患で、発作性に血圧が下がり、意識消失がおこることもあります。脊髄小脳変性症は多くの病型の総称ですが、共通の症状は、体のバランスを失う、眼球が自動的周期的に一定方向へ動く、などが見られます。
神経・筋疾患では、筋萎縮、筋力低下が手先や足先から始まることが多く、筋肉が小さく部分的にけいれんすることがあります。筋萎縮性側索硬化症、脊髄性進行性筋萎縮症、進行性ジストロフィー、多発性筋炎、中毒性の病気などであらわれます。
重症筋無力症、周期性四肢まひでは、手足などの筋肉に力が入らなくなったり、またよくなったりします。
◎けいれんと意識障害
発作的に意識喪失がおこり、同時に、けいれん(ひきつけ)があらわれます。気をうしなって倒れ、全身の筋肉を硬直化させ、次に十数秒間ガタガタとふるえ、泡を吹きます。脳の血管障害や腫瘍など、あらゆる脳の病気や傷でてんかんは起こりますが、これを症候性てんかんといい、脳の病気が証明できないものを真性てんかんといいます。