舌には健康の一つの指標になります。
胃が悪いと食欲がなく、舌が白くなったりするほか、尿毒症や脳卒中では茶色く汚いコケがついたり、薬の内容によっては色がついたりします。
◎舌が荒れる、ただれる、斑点
荒れて痛む、吐き気・下痢・食欲不振を伴うのは、胃腸病、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍です。
さらに舌が渇き割れるというようなときには、重い全身病、特に肝がん、すい臓がん、直腸がんなどが考えられます。
ただれて痛むのは舌炎、舌潰瘍など、舌がんでも舌のヘリに治りにくいただれができたり白くなったりします。薬の副作用で、口内炎を生じ、舌にも強い炎症を起こすことがあります。
赤くはれて動かしにくくなるのは、ほうそう炎、舌炎・潰瘍の進んだもの。
舌全体に異様な強い痛みを訴えることもあり、舌痛症といわれ、心因的な要因が考えられます。
白い斑点ができるものには、アフタ性舌炎やガコウソウ、ベーチェット病が考えられます。ガコウソウは、新生児、乳幼児、高齢者にみられ、免疫が低下したり、口腔を清潔にしないと口腔内に常在するカンジダがふえて病変を生じます。口腔粘膜、歯肉、舌表面に扁平な白色膜が付着し、はがしにくいのを無理にはがすと、あとにびらんができたり出血したりします。ベーチェット病では、口腔粘膜に痛みを伴う潰瘍がはじめの症状としてみられ、脈絡膜炎、視力低下、四肢にくるみ大の痛みのある発疹や痛みのある外陰部潰瘍が見られます。
赤い斑点ははしか(コプリック班)など、小児の急性の感染症に特異的なものがあり、特に川崎病の症状の一つでもあります。川崎病では、発熱後2〜3日で目が充血し、唇も赤くなります。全身の皮膚には赤い発疹が出て、口の中も赤くなり、したはいちごのように赤くブツブツになるのが特徴です。
◎舌のシビレ
舌のシビレは、薬物中毒や糖尿病などで起こり、神経筋疾患で舌にしわがよって小さくなることがあります。