◎肘部管症候群
肘の内側をぶつけると小指に痺れが出る場所がありますが、その場所で尺骨神経が圧迫を受けることにより発症します。原因は肘の変形性関節症・ガングリオンなどや、小児期の骨折による外反肘・内反肘のどの変形です。
中高年の男性が多く、肘の痛みと薬指・小指と小指球(手のひらの小指側のふくらんだ部分)の痺れが出ます。指の甲側もシビレがでるのが特徴です。進行すると手の中にある指を横に開閉する筋がやせて、指先で物をつまみにくい、小指が曲がって伸ばせないという症状が出ます。圧迫部位では神経を軽くたたいても指先にシビレを感じます(チネル徴候)。肘を曲げたままの状態を続けるとシビレが増強します(ひじ屈曲テスト)。末梢神経伝達速度検査や筋電図検査をおこないます。
治療は急激に発症したようなっ外傷の要素のある場合には、肘関節の安静をとり伸展位での固定を行ったり、副腎皮質ステロイドの注射が行われますが、一時的で手術が最も効果があります。手術は、上腕骨の肘の内側の骨を切除する方法や神経の走行を内側に移す方法などがあります。