◎ヘバーデン結節
指の最も先にあるDIP関節の変形性関節症のことを指します。中年以降の女性に多く見られ、急性期には関節の発赤、腫脹、疼痛が見られ、指をよく使うと悪化します。症状が軽快すると関節部に骨性隆起による変形(出っ張り)が残ります、いわゆる指が節くれた状態となりますが、障害はほとんどありません。症状のある時期には消炎鎮痛剤の外用薬の使用や、テーピングによるDIP関節固定を行うことが有効です。
◎バネ指
手のひらに近い指のMP関節の手のひら側にある指屈筋腱の腱鞘炎で中年以降の女性に多く見られます。親指・中指・薬指に多く、指の屈伸時に弾発現象(指の屈伸で引っかかり)を生じますが、初期には痛みだけのこともあります。腱鞘部に腫脹や圧痛があり、指を曲げ伸ばしすると引っ掛かりが存在します。
◎デュピイトラン拘縮
手掌部に繊維性の索状物が徐々に形成され、指の拘縮(曲がって伸ばせない状態)を生じる病気です。中年以降の男性に多く、何らかの遺伝的素因の関与が考えられています。索状物ができるのは手のひらや薬指、小指の付け根に多く、両側性にみられることもあります。
◎マレット指
つき指によって指のDIP関節(一番先の関節)が少し曲がったまま、伸ばせない状態です。指を伸ばす伸筋腱の付着部がつき指により断裂し、DIP関節の疼痛、腫脹、伸展制限(完全に伸びない状態)がみられます。
通常は腱のみの断裂ですが、伸筋腱付着部が骨折をともなってはく離している状態となることもあります。