◎手根管症候群
手首から2〜3センチ先にある手のひら部分で正中神経が手の骨と靭帯で囲まれた手根管という管を通過します。この部分で神経が靭帯により徐々に圧迫を受けてまひを生じる病気です。特徴的な症状は指先のシビレと夜間痛で、夜間から朝方にかけて手がじんじんシビレ、痛みを感じたり、目が覚めたときにシビレを感じたりします。痛みはときに上腕や肩まで感じることがあります。朝起きると手のむくみや指のこわばりを自覚することが多く、ときに腱鞘炎も合併します。
しびれは指先が中心で、親指、人差し指、中指と薬指の親指側半分に生じます。女性に多く(90パーセント以上)、閉経期や妊娠・出産時などホルモンのバランスが変化したときに症状が出やすい傾向にあります。両側の症状が出ることもあります。進行すると母指球(親指の付け根のふくらみ)の筋がやせて(筋萎縮)、指先でのつまみ動作が難しくなります。
手首を手のひら側に曲げた状態を数分間保つと痺れが誘発されます(ファーレンテスト)。などでわかります。
整体的な治療では、手首、前腕、肘、肩周りなどをよく弛めます。胸郭出口症候群からくる症状のときもありますから、頸椎の捻れや、胸椎のバランスもよく診て、左右差などや、筋肉のかたまりなどがあったら入念にほぐしておきます。
◎書けい
字を書こうとすると手が震える、うまく手が動かないなどの症状が出ます。手自体の異常はなく、心理的要因が関与しており、筋緊張異常(ジストニア)の一種と考えられています。うまくおこなえない動作以外のほかの動作をするときには異常が出ないのが特徴です。書字以外に、キーボードをうまく打てない、楽器を弾きにくいなどの症状を示す場合もあります。
精神安定剤の内服がされますが、さまざまな日常におけるストレスなどがいちばんの影響となっていることがおきな原因となりますから、それらを取り除くことや、自身の考え方に気づくようなカウンセリングが必要となるでしょう。