◎大腿四頭筋肉ばなれ、ハムストリング肉ばなれ
肉ばなれは筋肉が、自分自身の収縮力や外から加わった強い力によって部分的に断裂した状態をいい、スポーツに伴っておこることが多い外傷です。ほとんどの場合断裂は筋肉の一部のみにおこり、筋肉全体が断裂することは極めてまれです。肉離れの診断では症状のあらわれかたと圧痛(圧迫したときの痛み)が何処にあるかが診断のポイントになります。スポーツの最中に急に傷みがあらわれ、傷むあたりを触ってみると筋肉に圧痛があり、その筋肉に力を入れようとすると強い痛みが生じる場合は、肉離れと考えてまず間違いないでしょう。
大腿の場合、前面に痛みがあれば大腿四頭筋の損傷、後面にあればハムストリングの肉離れを考えます。前者では膝を伸ばそうと力を入れたとき
、後者では膝を曲げようとしたときに痛みが生じます。
肉ばなれは手術を必要とすることはほとんどありません。怪我をした直後には筋肉の損傷部で内出血や組織の腫れが生じます。これが過度におこると治りが遅れるので、受傷直後はなるべく安静にして患部を氷などで冷やし、さらに伸縮性のある包帯などで適度に圧迫してはれや内出血を最小限に抑えるようにします。受傷直後の長時間の入浴やマッサージは内出血や腫れを強める恐れがあるので、控えましょう。
肉ばなれは再発することがあるので、スポーツ復帰は決してあせることなく軽いジョギングなどから始めていき、ダッシュやジャンプなど筋肉の強い収縮を伴う動作は十分肉離れが治ってからさいかいするように。しましょう、また筋肉の損傷部はかたくもろい組織となったまま治る傾向があるので、再発予防のためには筋肉のストレッチを無理のやい範囲でおこなっていくことも大事です。