◎爪周囲炎と陥入爪(そうしゅういえんとかんにゅうそう)
爪周囲炎(爪囲炎とも)は爪の周囲に細菌感染が起こったもの、陥入爪は巻爪とも呼ばれ爪が横方向に湾曲し、爪の左右のふちが指の組織に食い込んだ状態をいいます。
爪周囲炎では爪の周囲にはれ、痛み、発赤が生じ、指で押したり靴で圧迫されると強く痛みます。治療は患部の清潔保持と消毒、抗生物質の服用で、炎症を悪化させないことです。
陥入爪がある人では繰り返して爪部に対する体重の負荷、靴による圧迫が原因で生じたと考えられるので、爪周囲炎を繰り返す場合にはかかとが低く、なるべく先のゆったりした靴を選んで履くようにし、爪部の清潔保持につとめます。また、爪は短く切り過ぎないようにします。このようにしても爪周囲炎を繰り返す場合には、陥入爪を矯正する手術がおこなわれることもあります。陥入爪があっても爪周囲炎を伴わない場合には特に治療の必要がありません。ただし爪の周囲の清潔保持につとめ、また靴の選択に注意してなるべく変形が進まないようにします。
◎うおのめ、たこ(鶏眼)
皮膚科の疾患ですが、この疾患で整形外科を受診される人も少なくありません。どちらも皮膚角質の異常な増殖が原因で、皮膚の一部が異常にかたくなっているため、体重がかかった際に痛みを覚えるようになります。
うおのめなどは、液体窒素などでうおのめ自体を低温やけどさせ、やけどをして皮膚が一枚ずつはがれていくような治療法がおこなわれます。うおのめは細菌感染が原因なので、深部までとりきれないと同じところに再発がおこります。
たこなどは、その人の皮膚の体質などや、歩き方、はいている靴などや、骨盤のバランスが原因で足底に無理な負担がかかって起こりやすくなりますから、そういったところを改善していくことが再発防止にもなるでしょう。