◎頸椎捻挫
追突事故や転倒による頭部打撲などにより頚椎に外力が加わり頸部痛を生じたものが頸椎捻挫で、そのうち特に追突事故による頸椎の過伸展によるものはムチ打ち損傷と呼ばれます。軽い場合には首の筋肉や靭帯、椎間関節の軽度の損傷が疑われますが、重症のものでは神経根や脊髄の部分損傷が疑われるものも含まれます。神経根や脊髄が傷害されると、頸部痛ばかりでなくてや指の痛みやしびれ、筋力低下がみられます。脊髄が傷害された場合にはMRIにより診断されますが、その他のタイプではレントゲン検査やMRIで通常異常はみられません。
また頸部の交感神経が傷害されるとめまいや耳鳴り、目がかすむなどの症状が現れます。受傷直後は頸部の比較的安静を保ちますが、頸椎カラーの装着は短期間のみとします。長い期間頸椎カラーを使い続けると首周りの筋肉が落ち、よけいに治りが悪くなる場合もあります。
首の靭帯が交通事故などの外力により伸ばされて捻挫し、当然頸椎も前後などに少しずれた形となります。そのズレを上手に矯正することにより、受傷する前の頸椎のバランスに近く戻せれば戻せるほど後遺症も出なく軽快するでしょう。
◎寝違え
寝違えは睡眠中に生じた頸椎捻挫と考えられますが、睡眠中によっぽど寝ぞうが悪いというならばその影響でしょうが、睡眠中に交通事故並みの外力が加わるということは無いので、これこそ、ふだんからの体のバランスが悪く、肩周りや、首周りの筋肉が硬くなりひっぱられていっぱいいっぱいのところで睡眠中肩やくびを冷やしたり少し悪い寝ぞうが引きがねとなって寝違えが起こります。
ほとんどの場合が肩や、くびの筋肉の緊張により胸椎や頸椎が筋肉にひっぱられてズレそれによる痛みがほとんどです。
治療では、くび、肩周りの筋肉をやさしくほぐし、筋肉にひっぱっられてずれていた骨を矯正してあげるだけでほとんどの場合改善します。それだけではなかなか改善しない場合や、寝違いが一週間以上続く場合などが腰からのバランスの影響が大きくかかわっていますので、骨盤のバランスがおかしくなっている場合が多くなります。骨盤のバランスを見抜き、上手に矯正できれば、くび肩の痛みも改善しやすくなるでしょう。