◎筋性斜頸
くびが片方に傾いている状態を斜頸といいます。最も多くみられるのは筋性斜頸です。首の前面を斜めに走っている胸鎖乳突筋という筋肉が生まれたときからかたくつっぱるために起こります。胎児の子宮内での位置が発生に関係し、骨盤位分娩児や難産で多くみられるとされています。
生まれたばかりの赤ちゃんがいつもいっぽうを向いていて、顔を傾けるのと反対のくびにしこりがあれば、筋性斜頸が疑われます。90%の子供では自然に治ります。毎日、母親や父親が時間のあるときに子供の胸鎖乳突筋を良くマッサージしてあげるのも必要でしょう。しこりが固まってしまうとなかなか自然には治りにくくなってしまいます(筋肉が固まり変性した状態になってしまいます、一度筋肉が変性してしまうとなかなかもとには戻らなくなってしまいます)のでふだんから胸鎖乳突筋をやさしく伸ばしてあげたりまた、片方にだけくびが向かないようにしてあげましょう。
斜頸がいつまでも治らないと顔や頭の変形をきたすことがあります。二歳を過ぎても斜頸が治らないようなら、手術をして胸鎖乳突筋のツッパリを取り除く必要があります。