◎神経皮膚炎
中年女性の首、特に首の後ろ(うなじ)によくできます。皮膚が灰白色をおび、きめが粗くなって厚くなります。楕円形もしくは帯状の発疹で、たむしと間違えられたりすることもあります。
かゆみが非常に強いのが特徴で、また気がまぎれていると、かゆみが気にならないといったことがあります。
治療法には副腎皮質ステロイド軟こうの外用。かゆみを抑えるために抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の内服があります。
◎中毒性の皮膚病
食物、薬など、外から体内に入ったもののほかに、体内で発生した毒素(たとえば、内臓病変、月経、妊娠に伴ってできたもの)によって起こってくる内因性の皮膚の病気を総称して、中毒疹と呼んでいます。
このうち、薬によるものは、薬疹で、ほとんどすべての薬品がその原因になるといっても過言ではありません。特に解熱約、抗てんかん薬、睡眠薬をはじめ、ペニシリンやそのほかの抗生物質、血圧降下薬、向精神薬、脳代謝改善薬や循環器用薬によるものが多くみられます。近年、高齢者を中心に多種の薬剤を内服している人が多く、薬疹の頻度が高まっています。薬を飲み始めてから1〜2週間、あるいは1〜3ヶ月、時には半年、一年くらい経ってから薬疹が出ることがあります。
薬疹は湿疹や、水疱やじんましんなど、いろいろな皮膚病変を示します。したがって、発疹の形よりもむしろ薬を飲んでいるかどうか(薬剤歴)、薬を飲み始めてどれくらいして皮膚症状がでてきたかが薬疹を考える際に重要になってきます。
中毒疹の誘因としては、腎臓、肝臓、胃腸の障害があり、月経前一週間は、他の時期よりも起こりやすく、食中毒では、腹痛、下痢、または便秘を伴っています。
特定の原因に決まった発疹の形があるわけではなく、その形は色々です。一般にかゆみが強く、左右対称性にあらわれるのが特徴です。アレルギーが原因と考えられるものもあります。
治療では、薬、食物、そのほかの原因がはっきりしているものでは、それを避けます。一度中毒を起こしたもの、ことに薬では、これを二度ととらないようにします。中毒疹は、繰り返すごとに悪化するものです。
同時に、体の中に残っている毒素を早く体外に排出し、または無毒にします。ブドウ糖、ビタミンC、抗中毒・アレルギー治療薬の静脈注射が効果があります。
肝臓、胃腸、腎臓の障害があるときには、これを改善します。
範囲が広く急性症状が強いものには、副腎皮質ステロイド薬の内服が用いられます。
外用療法は疹型に応じておこなわれます。