◎帯状疱疹(帯状ヘルペス)
はじめは、頭痛、腰痛、そのほか神経痛のような痛み、だるい感じがあります。それに続いて、痛みのある皮膚に、米半粒大ぐらいの赤い発疹が五、六個ずつむらがってでき、それが全体としては線状、または帯状に並んできます。だんだん、小さな水ぶくれが目立ってきます。
一つ一つの水ぶくれの内容は、はじめは透明で、そのまわりの皮膚が赤くなっているのが特徴です。だんだん内容はにごり、中には出血しているものもありますが、水ぶくれの中心部が黒くなって、凹んでいくのが特徴です。また、ほとんど片方だけにできます。
原因として子供のとき水疱瘡にかかるとウイルスが体内に潜伏します。ちょっとした体調不良や免疫が落ちると、この潜伏ウイルスが活性化して、増殖し、皮膚の表面に出てきたものが帯状疱疹です。多くの場合は、三週間ぐらいでよくなります。二度これにかかることは、まずありません。
治療上注意しなければならないのは、目のまわり、つまり三叉神経痛の領域に一致する部位にできるものに、眼球病変を起こすことがあることです。高齢者では後に長く神経痛が残ることがあります。この帯状疱疹後神経痛を残さないためには、できるだけ早期に治療を始めることが必要です。