◎熱傷(やけど)
いわゆるやけどです。やけどは皮膚に高温が作用して起こりますが、温度が高く、全身に及ぶと死亡することもまれではありません。浅いやけどではきれいに治ってあとを残しませんが、深いやけどでは瘢痕(ひきつれ)やケロイドになることがあります。
やけどの浅い、深い、つまり皮膚の重症度は、温度とその接触時間で決まります。高温でも瞬間的接触であれば、意外に浅くてすみますが、湯たんぽのように低温でも長い時間接触しているときには、深いやけどになってしまいます。
やけどを起こす原因は数多くあります。その中ではやはり、家庭で熱湯をかけたり、味噌汁、コーヒーやお茶のこぼしたりといったものが多いようです。てんぷらの油を浴びたり、ストーブやアイロンなどの接触もよくあります。花火をしているときの事故もあります。
重症になることが多いのは、火災によるものです。
やけどの重症度は、その深さと面積で決まります。手のひらの面積が体の表面積の全体の1%にそうとうするので、それを目安に面積を出すことが出来ます。また、九の法則といって、体の各部分が九%相当の面積を占めることを利用した方法もあります。この方法は大人用で、乳幼児では頭、顔の面積が大きいので補正が必要です。