◎血圧
血圧というのは、血管の中の血液が血管の壁に及ぼす圧力を言います。血管には動脈と毛細管と静脈があり、血液は心臓から動脈を経て毛細管へいき、静脈を経てまた心臓に帰ります。この血液の流れは、圧の高いところから低いところへ向かいます。つまり動脈では圧が高く、静脈では圧が低いのです。ふつう、血圧という場合は、このかなで動脈の中の圧をいい、静脈内の圧は動脈圧と呼びます。
○最大血圧と最小血圧
心臓が収縮するごとに、動脈内の圧は上がったり、下がったりします。そのときの最高の圧を収縮期血圧、最大血圧または最高血圧と呼び、最低の圧を拡張期血圧、最小血圧または最低血圧と呼びます。最大血圧と最小血圧の差は脈圧と呼んでいます。最大血圧と最小血圧の差の三分の一を最小血圧に加えた値を、平均血圧といいます。常時、動脈にかかっている圧力の平均的な値です。
血圧は心臓が排出する血液の量に影響されます。心臓が急に大量の血液を動脈内に送りだすと、最大血圧が高くなり、脈圧が大きくなります。
最小血圧の調節は、主として毛細管に分かれるすぐ手前の細動脈でおこなわれたいます。細動脈を狭くすると、動脈の抵抗が大きくなって、最小血圧が高くなります。また、ここがゆるむと、最小血圧は低くなります。この部分は神経や色々なホルモンによって調整され、必要に応じて、緩めたり縮めたりしているわけです。
血圧が異常に高くなると、高血圧症になります。俗に、血圧というと最大血圧だけを問題にされますが、最小血圧も重要です。最小血圧が上昇すると平均血圧も上昇するので、動脈への負担が増します。