◎高血圧症
一般に、最大血圧140ミリHg、最小血圧90ミリHg以上のとき、血圧が高いといいます。年齢によって違います。年をとると、高血圧の人は急激に増加します。
一度、血圧を測って高かったらといって、すぐ高血圧症があるというわけではありません。血圧は色々な原因で変化するものです。安静な状態で何度かはかり、しかも日をあらためてはかって、やはり高いときにはじめて血圧が高いということになります。
◎軽症高血圧
高血圧症は、血圧値によって分類されます。通常収縮期血圧が140〜159、拡張期血圧が90〜99ミリHgの範囲の高血圧を軽症高血圧と呼び、高血圧に基づく疾患の進展がもっともゆるやかな経過を示しますが、放置してよいということではありません。正常血圧とくらべると、はっきりと脳卒中や心筋梗塞の危険性が高く、10年、20年ののちにはこのような心血管疾患にかかりやすいことがわかっています。
しかも問題は、このような軽症高血圧の範囲に入る人が極めて多いということです。たとえ疾患の発生率が、重症〜中程度の高血圧にくらべて相対的に頻度が低いとはいえ、全体から見ると何百万人〜何千万人という人たちがこれに相当するということになると、軽症高血圧といえども、このために心筋梗塞、脳卒中になる人の絶対数が、無視するわけにはいかないほど大きくなります。
また、高血圧だけではなく、動脈硬化になりやすいほかの危険因子、例えば、高齢者や喫煙、高コレステロール血症、ていHDL血症、肥満、糖尿病、尿中微量アルブミン、心筋梗塞、脳卒中の家族歴などがひとつ、あるいは二つ三つ同時に存在していると、疾患の発症率は飛躍的に増大します。
したがって、軽症高血圧も一般療法や、それで不十分なら血圧降下薬で十分に管理する必要がでてくるでしょう。