◎中枢神経の異常からくる高血圧
頭に外傷を受けたときとか、脳の中に腫瘍ができたとき、あるいはポリオなどによる神経病のあと血圧が上がることがります。
◎内分泌からくる高血圧
下垂体、副腎、性器、甲状腺などホルモンの以上から起こる内分泌性高血圧です。
クッシング症候群というのは、顔が満月のように丸くなり、体が異常に太って、腰や大腿の皮膚に赤いしわができ、血圧が上がるもので、副腎皮質または下垂体の腫瘍ないし肥大によるものです。
原発性アルドステロン症は、高血圧、多尿とともに、手足が一時的にまひして力が入らなくなるもので、副腎皮質の病気です。
褐色細胞腫は、副腎髄質の腫瘍から時々多量のアドレナリンやノルアドレナリンの分泌が起こり、一時的に血圧が上がり、頭痛、動悸、ふるえがきたり、尿に糖が出たりするものです。そのほか甲状腺機能亢進症でも、やせると同時に脈拍がふえ、血圧が上がります。脳下垂体の腫瘍でおこる末端肥大症でも血圧が高くなります。いずれも手術など原因となった病気の治療で治る可能性のあるものです。
最近、肥満や糖尿病と高血圧の合併が多いことと、このような人では血液中のインスリンの濃度が高いことから、インスリンに対する感受性の低下が原因で高血圧になるという説があり、多くの研究がおこなわれています。