◎動脈硬化症
動脈硬化は、動脈の老化現象で、年をとれば誰にでも起こり、一度おこって進んだものは完全に治らないといわれています。 動脈硬化はいろいろな型があり、中には、食物やストレスの影響が重大で、それによって悪くも、よくもなるというものがあります。
1 老人性の大動脈から直接分岐する比較的太い中動脈に石灰化がおこる型。
2 動脈の内壁にコレステロールなどの脂質がたまり、ふくらみを形成し、同時に動脈壁の平滑筋が増殖して内膜を狭くし、脳や心臓の病気の原因となる典型的な動脈硬化アテローム変性。
3 細動脈の硬化。
動脈は内膜、中膜、外膜の三層からなっていますが、1は中膜に、2は内膜におもに変化がきます。また、これら二つの動脈硬化は、動脈の太いところか中程度のところにおき、血圧はふつうか、幾分高くなります。しかし、最大血圧は上がっても最小血圧は上がらず。90ミリHg以下です。これは、動脈の弾力性が少なくなったため、最大血圧だけが高くなったものです。3の細動脈硬化は、高血圧が長く続いた結果、動脈の末梢の細い部分が硬化するものです。
この三つの型の動脈硬化は別々に純粋な形でつくることもありますが、ときに、組み合わさってくることもあります。
これらのうち比較的性質の悪いもの、つまり、脳や心臓や腎臓などの重要な気管に動脈硬化による病変を起こして寿命をちぢめるものは、2と3の動脈硬化です。3の細動脈硬化は、むしろ高血圧の結果として生じるものですから、問題は高血圧のほうにあります。