◎脈なし病
20代の女性に多く、片側または両側の手首の動脈の脈をふれないことがあります。これは、その動脈が大動脈からわかれたところで、炎症のために極端に狭くなっているためで、同様のことは腹部大動脈にも、頭へ行く動脈にも、腎臓へいく動脈にもおこります。眼底に特徴のある変化が認められることがあります。高血圧が起こったり、大動脈弁の閉鎖不全がおこることもあります。
病気の原因はまだはっきりしませんが、大動脈壁に何らかの免疫反応にともなう炎症があることは確かで、ある年齢までは多少とも進む性質を持っているようです。国の特定疾患治療研究事業対象疾患(難病)に指定されています。
治療では、副腎皮質ステロイド薬、そのほかアスピリンなど抗炎症薬を使ってまず病気の進行を止めます。また頚動脈の閉塞や大動脈瘤、大動脈弁閉鎖不全などがあれば、外科的に治療することもあります。