高脂血症とは、血液中の脂質成分が過剰になった状態をいいます。脂質の主なものはコレステロールと中性脂肪です。コレステロールが多くなった場合を高コレステロール血症、中性脂肪が多くなった場合を高中性脂肪血症といいますが、このどちらも高脂血症です。コレステロールには悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロールと善玉コレステロールといわれるHDLコレステロールがあります。前者が、高値の時には血管壁に沈着して動脈硬化を促進するので悪玉コレステロールと呼ばれています、後者は逆に動脈硬化を抑制するはたらきをするので善玉コレステロールと呼ばれています。また中性脂肪は脂肪組織で蓄えられ、必要に応じてエネルギー源として利用されますが、過剰に蓄えられると肥満になります。
○原因
高脂血症は加齢で起こりますが、また食生活の不摂生や運動不足など生活習慣が不良になるとおこってきます。男性では40歳以降に多くみられます。女性では閉経後の女性ホルモンの欠落が大きく影響してきます。また、これらのほかにも遺伝をもとに起こる家族性高脂血症や、高脂血症をおこしやすい病気が元で起こる二次性高脂血症もあります。
○症状
高脂血症は自覚症状がほとんどありません。しかし、コレステロールが非常に高い状態が長い間続くと、手足の関節に脂肪のかたまりができます。黄色くコブのように盛り上ってきますが、痛みは伴いません、これを黄色腫といいます。
特にできやすい場所はまぶたの内側や、肘の外側、ひざなどです。またアキレス腱が厚くなり、足首が太くなってきます。
血液中に中性脂肪が極端に増えてくると、血清がにごって牛乳のように白濁します。これを乳び血清と呼びます。この場合急性膵炎を併発して急激な腹痛に襲われることがあります。