◎関節リウマチ
関節リウマチとは、多関節炎をきたし、経過とともに関節破壊と機能障害をもたらす病気です。原因は不明ですが、かかりやすい体質・素因とウイルス感染を含む誘因が重なり合って発病するとされています。おもな病変は関節中における滑膜の炎症と異常な増殖で、これにより骨・関節の破壊がもたらされます。
経過中、関節以外の症状も見られ、時に血管炎による内臓の障害をもたらすこともあります(悪性関節リウマチ)。
日本での関節リウマチの患者数は約0.3%と推測されていて、そのうち7万人は身体障害者です。性別では女性が男性に比べて3倍多く、かかりやすい年齢は30−50代です。子供や高齢者にも発症しますが、子供の場合には若年性特発性関節炎(若年性関節リウマチ)と呼ばれます。悪性関節リウマチの患者数は関節リウマチの1%未満です。その発症年齢は50代がピークで、男女比は1対2です。
症状
発病時に多い症状は、朝の起床時にみられる関節のこわばり(朝のこわばり)です。関節を動かすことにより消失されます。だるさや疲れやすさ、微熱などの全身症状を伴いますので全身性疾患でもあります。関節リウマチでおかされやすい関節は、指の一番末端の関節を除く手指の関節、足の指の関節、肘、膝、首の骨、あごなどの関節です。左右対称性に障害を受け、痛みやこわばりだけではなく、発赤、腫脹もみられます。進行すると指全体が小指のほうへかたむいたり、スワンネックの変形(指が白鳥の首のように曲がる)などになります。頚椎の障害による手足のしびれや麻痺が起こることがあります。関節の炎症や破壊の程度、進行の程度をみるのに、関節のレントゲン検査、MRI検査、関節シンチグラフィなどの検査がおこなわれます。レントゲン検査による関節破壊の程度をみる病期分類が示されています。
関節以外の症状では、肘や後頭部などの皮下にしこり(皮下結節)や、爪の周りに小出血斑や皮膚潰瘍、指先の壊疽、手足のしびれや運動の障害などをみることがあります。これらは血管炎によるもので、多くは悪性関節リウマチでみられます。内臓障害では、心外膜炎、胸膜炎、間質性肺炎または肺線維症などの症状がみられたり、目に上強膜炎や虹彩炎をみることがあります。