◎免疫とは
動物には生まれつきもっている自分の体内にあったもの(自己)と、それ以外のもの(非自己)とを区別し、非自己の物質を体外に排除して自分の命を守ろうとします。ウイルス、細菌、寄生虫などの病原微生物に一度感染すると、それが記憶され、ふたたびさらされても感染・発病しなくなるのはこのしくみによるからなのです。
疾病を免れるということから、このしくみを免疫といいます。免疫は病原微生物などの外来物だけではなく、がんなどの悪性新生物が体内で新たに発生しようとするときにもこれを排除するのにはたらいています。非自己の物質に対するこのような反応を免疫反応といい、免疫反応を起こす原因となった物質を抗原といいます。
予防接種はこの反応を利用したものです。弱毒化、あるいは不活化して病原性をなくした病原微生物(ワクチン)を繰り返し投与してこれに対する免疫反応を起こしておくと、本当の病原微生物にさらされても感染・発病しなくなります。