○妊娠貧血
女性は月経があるためと、男性に比べて食べる量が少ないために貧血になりやすいのですが、最近では偏食やダイエットが原因の貧血も少なくありません。
胎児の成長には母体の中の貯蔵鉄が使われますが、貯蔵量が少ない場合は母体に必要な鉄分が胎児に優先的に供給されるため、母体は貧血になります。胎児が大きくなるとそれだけ鉄分を必要とするので、貧血は妊娠後期になると大変多くなります。
貧血のまま分娩になると、母体は疲労のため微弱陣痛になったり、胎児への酸素供給が減少したり、分娩時の出血量他多くなり輸血の可能性が高くなるなどの危険があります。予防するためには鉄分、タンパク質、ビタミンなど食生活が重要です。鉄剤を服用すると胃が悪くなったり便秘や下痢をする人はよく相談してください。
○骨盤位(さかご)
胎児は頭が一番大きくかたいので、頭から生まれてくる分娩がもっとも順調に行きます。それにくらべて頭がうえでお尻や足からの分娩は難産になりやすく、リスクが高たかいので、なるべく正常位に矯正したいのですが、約5パーセントは逆子のまま分娩となります。お知りが下の場合は通常の分娩も可能ですが、足の場合は現在は帝王切開することがほとんどとなります。
妊娠中期までは逆子も多いのですが、妊娠32週ころにはほとんどが頭が下になってきます。妊娠28週ころになると、逆子の場合「胸膝位」を指導されます。これは胸と膝を床に付け腰を高く(お尻を高く)した姿勢で、ネコが前足で伸びをする姿勢に似ています、これを毎晩寝る前に10〜20分続けると、逆子が治ることが多いのです。外回転といって強制的に手で逆子を治す方法もありますが、危険があるため反対論も多く一般的ではありません。
逆子になる原因は、前置胎盤など胎盤の位置が悪い場合、子宮の形の異常(子宮筋腫、子宮奇形など)、臍帯が首に巻きついたり、羊水過多などがあげられますが、原因不明のこともよくあります。