○羊水過多症
羊水が異常に多いため、お腹が妊娠週数にくらべてかなり大きくなり、母体は息苦しいなどの症状が出ます。胎児や胎盤の異状によることもありますが、原因が不明のことも半分くらいあります。早産、破水、妊娠中毒症などを起こしやすいので、入院して安静にしたほうが良いでしょう。超音波検査や場合によってはMRI検査などが胎児の異常を調べるために必要になります。お腹にチューブを入れて羊水を抜くこともおこなわれます。
○胎盤機能不全
胎盤は胎児の成長や生命の維持のために必要な臓器ですので、胎盤の働きが悪くなると胎児の状態も悪化し危険な状態となってしまいます。妊娠中毒症、糖尿病、予定日を二週間以上過ぎた場合などでは、胎盤機能不全の可能性があります。いろいろな検査によって胎盤機能の状態を確認し、機能不全の徴候が見られたら、分娩誘発剤や帝王切開により胎児をとりだします。
超音波検査は胎児の検査に欠かせないものですが、胎児の成長を見るばかりでなく、胎児の動き、羊水量、血流などを測ることによって胎児の成熟度や現在良い状態にあるかどうかも知ることができます。
医療機器によるおもな検査
○X線検査
レントゲンによるX線の発見から一世紀以上が経過し、X線検査は日常的に最も利用されている画像検査法のひとつとして定着しています。
X線の原理は、X線管球から発生するX線が人体組織を透過し、X線フィルムを感光させて画像化するもので、頭のてっぺんから足の先まで、骨、軟部組織を問わず、全身のあらゆる組織の検査に応用されています。
最近ではX線フィルムを感光させる代わりに、多数のディテクターでX線を検知させ、それをコンピュータ処理して画像化するCRが普及しています。画像の濃淡、コントラストがディスプレー上で容易に変えられるため、一回の撮影で得られる情報が格段に増え、詳細な検討が可能となりました。
定期健診などの胸部X線撮影では、正面像だけがとられるのが一般的ですが、心臓や横隔膜で肺の下方の部分が隠されてしまうため、医療現場では側面像をとることもかなり重要です。
上部消化管(食道、胃、十二指腸)をみるには透視といって、x船を断続的に発生させてディスプレーで画像を確認しながら的確な画像を撮影します。空気と少量のバリュウムを使って、胃や大腸の粘膜の変化を映し出す二重造影の技術は日本人による発明で、早期胃がんの発見に大きく貢献しています。