○X線CT(コンピュータ断層撮影)検査
X線管球とディテクターを円周上に配置して回転させ、全周で得られた情報をえるのがCTで、画像診断に革命的な進歩をもたらしました。
通常のX線では画像が重なって映るので、骨や心臓などが重なると十分な情報が得られない欠点があるのに対して、X線CTでは断層像が得られるので、骨に邪魔されずに、あまり侵襲を加えずに人体の内部の情報を見ることができます。
また、造影剤を使用することにより病変ごとのコントラストが増強され、単純CTでは得られない診断が可能となっています。頭部CTでは脳出血、脳梗塞、くも膜下出血、脳動脈流、脳腫瘍などが診断可能となり、また、全身のCTでは悪性腫瘍をはじめとして、多くの病変がわかるようになってきました。
さらに、最近ではヘリカルCT(マルチスライスCT)が普及しています。これは、人体に対してX線管球がらせん状に回転し、連続して撮影ができる装置です。これによりX線CTが本来、不得意だった立体画像を映し出すことが可能となりました。
○MRI(磁気共鳴画像法)検査
X線CTとは異なり、X線被爆なしに体内の断層撮影、立体画像が得られるのがMRI検査です。強力な磁場に置かれた水素原子に高周波をあてることによって得られる微小な電磁波の変化を検知し、水素原子の分布、結合状態の指標として画像化します。
撮影面を自由に設定できるので、人体の横断面や縦断面ばかりか、任意も断面でも画像が得られ、三次元の立体の画像の構築も容易にできます。また、電磁波は骨組織も通過するので、脳や脊髄、関節くうなどの映像にもすぐれています。
撮影の条件を変えることで、いろいろな情報が得られます。造影剤を使用すると、よりコントラストのある画像になります。また、造影剤を使わずに血管の走行を映し出すMRI血管撮影(MRアンギオ)も可能です。強力な磁場の中に入るので、金属の装飾品はすべてはずし、体内にペースメーカーや動脈瘤のクリップなどがある場合には検査を受けることはできません。