○心電図検査
心臓が収縮するとき、大きな電気信号が発生します。これを体表から記録するのが心電図検査で、通常は手足の四電極と胸壁の六電極を使って、十二個の誘導心電図を記録します。
検査時には力を抜いて、安静状態で測定します。検査は短時間ですが、不整脈がある場合には長めに記録します。
最近の心電計には自動解析機能がついていて、正常か異常か、診断結果も表示されますガ、それは主に参考程度で、しっかりとデータを見て診断されます。
心電図では心房から発生するP波、心室から発生するQRST波がひとつのユニットとして繰り返され、不整脈があるときはこのユニットが分離したり(房室ブロック)、変形したり(QRSTの延長)、不規則にあらわれたり(期外収縮といわれる)します。発作性頻脈では突然脈拍が速くなります。
心肥大ではR波やS波で高さが大きくなり、狭心症や心筋梗塞ではST部分が変動したり、Q波が深くなったりする異常がみられます。
心電図検査前の運動やアルコールなどは禁物で、タバコやコーヒーなども、検査一時間前には控えるようにしましょう。
短時間の検査では確認できない不整脈や狭心症の発作は、携帯型ホルター心電計を装着して通常の生活を送りながら二十四時間記録して解析します。
手術中や重症の患者さんに対しては連続して心電図をモニターするのが通常の措置です。運動が刺激となって出現する異常は階段昇降試験やトレッドミル負荷試験で適度な運動をして異常の有無を検査します。