○嘔吐
乳幼児は胃が垂直位だったり、胃と食道の境目の括約筋がゆるいことなどから、嘔吐しやすいのが特徴です。
嘔吐の原因はさまざまです。慢性の嘔吐は、乳児では肥厚性幽門狭窄、胃軸捻転症などの消化管の異常、水頭症などの神経系の異常などが考えられます。急性の嘔吐は胃腸炎がほとんどですが、尿路感染症、髄膜炎、代謝疾患などのこともあります。高熱に伴って嘔吐がある場合は、胃腸炎以外の場合もあるので受診したほうがよいでしょう。繰り返す嘔吐もあります、原因によって対応法が異なってきます。
胃腸炎による嘔吐・・・まず、嘔吐が落ち着くまで、哺乳や食事はやめます。やめている間は水分だけを少量ずつ、まめにあげます。水分は、水、さ湯、イオン飲料、麦茶などがあり、嘔吐が頻回のときには水分だけではなく、ナトリウムなどの電解質もなくなるために、その補給が必要です。
頻回のとき、二日以上のときにはイオン飲料が良いでしょう。スポーツドリンクよりも、薬局で市販されている子供用のイオン飲料が補充すべき電解質を多く含み適切です。幼児では暖かい水分よりも冷やしたほうが飲みやすいこともあり、好みに合わせてあげましょう。哺乳、食事の再開は嘔吐がおさまり、飲んだ水分を半日吐かないことを確かめてからはじめます。嘔吐が続くと脱水になり、点滴が必要な場合もあります。
○下痢
乳幼児では嘔吐と並行して起きることが多く、年長児では下痢だけの事もあります。慢性の下痢は、乳幼児ならアレルギーや代謝の病気、乳糖不耐症なども含まれます。学童期以降は、過敏性腸症候群という病態もあります。年齢によってさまざまな原因でおこります。
胃腸炎による急性の下痢・・・母乳ならそのまま哺乳しても大丈夫ですが、下痢が水様性で、頻回のときには一日哺乳を休むと回復が早いことがあります。食事をとめるのは二日間までにして、哺乳や食事の止めを長くするとかえって回復が遅れます。おかゆが食べられる年齢なら、食事再開は重湯、おかゆからで、ミルクはあとからです。下痢止めの薬は、病状を把握できているときには処方されますが、乳幼児の場合には医師からの処方で服用しましょう。