◎遺伝と遺伝病
○遺伝子治療
遺伝子治療とは、ある病気の原因の遺伝子異常がわかっている場合、正常な遺伝子を体の中に入れて病気を治そうとする治療法です。
がんや種しゅの遺伝病に対し、日本を含め、各国で治療法の開発が研究されていて、徐々に実用かされてきています。今後、飛躍的に治療可能な疾患が増えてくるでしょう。
○先天性代謝異常
遺伝子異常により特定の酵素の機能が低下したためにおこる病気で、フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症などのアミノ酸代謝異常、ガラクトース血症、糖尿病などの糖代謝異常、ゴーシェ病やニーマンピック病などの脂質代謝異常、ムコ多糖症などがあります。
発病する年齢はさまざまで、症状も多様ですが、急に嘔吐を繰り返したり、意識が低下して反応がにぶくなる、徐々に知能が低下してくる、肝臓や脾臓が大きくなってくるなどの症状があれば、先天代謝異常症を疑って検査したほうがいいでしょう。低血糖発作、体が酸性になるアシドーシス発作、高アンモニア血症などを伴うものがあり、異常が疑われた酵素の活性を測定することで確定診断となります。