◎出血
○頭蓋内出血
成熟児では分娩外傷(お産のときに頭に強い力が加わる場合で、胎児が異常に大きいときや、母親の産道が狭いとき、逆子などの体位の異常のとき、カンシを使ったお産のときなど、難産のときにも見られます)による硬膜下出血、未熟児では低酸素が誘因となる上衣下出血(低酸素により脳血流が増加することによって、脳の真ん中に近い上衣下といわれる血管叢の発達した部分からの出血)がおこります。
くも膜下出血は比較的まれで、後遺症の頻度も高くありません。
症状は、無症状の場合から、けいれん、意識障害、無呼吸を示す場合もあり、さまざまです。出血量が多ければ、脳性まひとなったり生命にかかわることもあります。
診断、治療
診断はレントゲン検査、CTや超音検査でおこないます。治療は軽症であれば無処置で、自然に出血が吸収され後遺症もありません。重症であれば、けいれんや無呼吸に対する処置や脳の腫れを抑える薬を用い、手術が必要な場合もでてきます。
○新生児メレナ
新生児はビタミンKの欠乏した状態のため、ビタミンKの存在下に作られる血液凝固因子(血が血管の外に出たときに固まらせる役割をになっています)が少なく、出血しやすい状態にあります。
消化管からの出血により、血を吐いたり血の混じった便がでたりします。区別する病気に胃、十二指腸潰瘍などにもとづくもの(症候性メレナ)や、母親の血液を飲み込んだ仮性メレナがあります。
血液検査により、ビタミンKの欠乏状態の有無がわかります。治療は、ビタミンKを注射します。