◎知的障害(精神遅滞)
知的なはたらき全般にわたって正常よりも低く、状況に適応する行動の能力も低い状態を指します。男の子のほうが発症率が高くなります。
原因
染色体異常、遺伝子異常、脳炎、脳症の後遺症、頭部外傷など、脳に障害を及ぼすものが原因となり、原因不明のことも多くあります。兄弟などに遺伝的に出ることもあります。進行性の病気であることや、体の合併症を起こす病気もあるので、可能な限り原因疾患をあきらかにすることが必要になります。
症状、治療
知能の程度により、軽度、中等度、重度、最重度にわけられます。赤ちゃんのときは、体が柔らかく、運動発達の遅れとして気づかれることや言葉の遅れとして気づかれることもあります。生活習慣、社会的な行動、その他状況に対する適応などすべてに遅れが見られます。
その他の症状として多動、自傷、興奮や同じ動作を繰り返すなどの行動の異常を示すときもあります。てんかんや脳性まひの合併もあります。知能の程度にあわせて、教育、療育訓練、介護などをおこないます。繰り返し、根気よく教えていくことが必要です。