◎ことばの遅れ
ことばの発達は個人差が大きく、一歳になる少し前くらいから簡単な言葉を理解し始め、一歳過ぎたころよりママやパパなどの言葉が出始め、二歳前にはこれ食べるなどの単語が二つつながった言葉が出てきて、三歳までには簡単な文章が話せるようになるのが一般的です。
○発達性言語障害
言葉の発達が遅れる病気として知的障害や自閉症がありますが、全般的な発達が正常で、言葉の発達のみ遅れることもあります。言葉の理解も遅れる場合、理解は良くて話すことだけ遅れる場合、発音がはっきりしない場合などがあります。
理解が良い場合は、やがて言葉も出てくるでしょうが、遅れが大きい場合は、他の病気ではないかどうか、言語療法を受けたほうが良いかどうか、検診で相談するか医師の診察を受けたほうが良いでしょう。将来、学習障害になることもあります。また、難聴があると言葉の発達が遅れるので、呼んでも振り向かないことがあるなど、疑問に思うことがあれば早めに診察を受けると良いでしょう。
○発達性構音障害
発音がはっきりしない場合を言います。発達上、一時的なものが多く、成長とともに改善することも多いですが残ることもあります。
また、上顎が欠けている口蓋裂、上顎の粘膜と皮膚の下の組織はあっても、骨が欠けている粘膜下口蓋裂や、舌の下側の筋がついている舌小帯短縮などが発音が不明瞭になる原因になっていることもあります。
◎特異的発達障害
脳のはたらきの一部が低下しているためにおこる状態で、学習障害が代表的です。学習障害は、概念的に混乱のある病名ですが、知能全体は正常で、コミュニケーションの障害などといった自閉症の傾向がなく、言葉や計算などの一部の能力が低下している状態を指します。
同じ内容でも、聞くと理解できるのに、うまく書けない書字障害、計算だけうまくできない計算障害などがあります。また、発達性言語障害や、バランスが悪く運動がうまくできない発達性協調運動障害などもあります。さまざまな知能検査を用いて障害の状態を把握し、教育と訓練を中心にした治療を行います。