◎こころ、神経の病気 つづき
○不登校
身体的、経済的、家庭的、社会環境的に、学校へ行けなく理由がないのに登校できない状態を不登校といいます。不登校は、学校へ行けないといつ状態を表したことばであって、その原因、背景にはいろいろなものがあります。
友人関係、教師との関係、学習や部活動などに関する学校での社会的なことに対するトラブル、家庭での親子関係、兄弟間での葛藤、本人の性格、能力などがからみあって不登校になると考えられます。
いじめ、転校、学校活動に対する負担、学業不振、家庭内の不和などが心理的ストレスになり、うまく対応できずに不登校になるものが最も多く、人前へでることの恐怖や、自我、自主性の発達が未熟で、親や家庭から離れて自立するのが困難だったり、本人に精神病的器質がある場合などがあります。子供にも「うつ状態」がって不登校になることもあります。学校の勉強についていけなくなった場合もあり、また、非行型の不登校も増加しています。心理的背景よりも身体のリズムの障害を主要因と考える考え方もあります。心身の疲れから生体リズムがこわれて、うつ状態におちいるのは大人も子供も同じです。しっかりと休ませてリズムを取り戻すためにも小児科医などのサポートも必要になるでしょう。
症状
はじめは身体的な訴えが多く、朝方に腹痛、頭痛、吐き気、嘔吐、気分不快、倦怠感、発熱などの症状を訴えます。心理的な不安、かんしゃく、劣等感、抑うつ、無気力などが見られるようになります。無理に登校させようとすると、家庭内暴力になることもあります。長期化すると、生活のリズムの逆転や引きこもりなども出現します。
注意
朝方の身体的訴えが多くなるようなときは、不登校の前ぶれと考え注意深く見守ります。
学校での友人関係のトラブル、いじめ、学習状態など、原因となるものがないか調べ、可能なら改善するようにします。環境調節だけで登校できるようになることもよくあります。登校は無理強いせずに、本人を温かく受け入れてあげ、自主性を尊重するようにします。また、専門家による心理療法や環境調整も必要になります。
一人ひとりの状態を小児科医やカウンセラーとともに考えるようにしましょう。