◎もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)
脳には、首の前のほうから入ってくる内頚動脈と、後ろから入ってくる椎骨動脈があり、脳の下のところでつながって、ウィリス動脈輪をつくっています。このウィリス動脈輪周囲の血管が徐々につまっていく病気です。
原因
家族性に出ることもあり、何らかの遺伝子異常が想定されています。日本人に多くみられます。血液の流れが悪くなり、代わりに、細い血管があちこちに作られ、脳の血液の流れを保とうとしますが、細くてもろい血管なので、閉塞したり、出血したりして脳障害を起こします。
症状
過呼吸のあと血管が狭くなり、一過性の脳虚血症状として、手足のまひ、意識障害やけいれんを起こします。程度が強い場合や発作を繰り返す場合、脳梗塞や脳内出血を起こし永続的なまひになります。
治療
対症療法として、アスピリン製剤や脳血流改善薬がもちいられます。外科治療が有効なことも多く、適応方法を検討する必要があります。国の特定疾患治療研究事業対象疾患(難病)に指定され、医療費の公費負担対象になっています。