◎脳炎
子供が、急激に意識障害などの脳障害を起こしてくる病気です。
原因
脳炎は、ウイルス感染に引き続いて脳に炎症が起こるもので、ヘルペスウイルス、はしか、風疹などが原因です。
急性脳症は、インフルエンザなどのウイルス感染のあとや、薬物、生まれつき持っている先天性代謝異常が一時的に強くあらわれるものなどがあり、原因の特定は困難です。
症状
原因があきらかなときはその治療を行いますが、原因が不明であったり、治療法がないこともあります。ウイルス感染では、ヘルペスウイルスに対する治療薬はありますが、他のウイルスに対する治療薬はありません。インフルエンザ脳症は、急激に発症することもおおいため、インフルエンザ治療薬の治療効果ははっきりしません。
脳のむくみをとる薬による治療、全身管理、けいれんに対する治療などが必要です。一部の解熱薬や症状を悪くし、死亡率を高めると考えられています。予防のために、はしか、インフルエンザなどのウイルスに対するワクチン接種が重要です。
◎多発神経炎、ギラン・バレー症候群
脳と脊髄の中枢神経からの情報を筋肉や内臓に伝えたり、感覚を中枢神経に伝えたりする末梢神経の病気です。
原因
感染症のあとなどに、末梢神経を壊すような抗体を自分で作ることにより神経がまひしてきます。カンピロバクターという胃腸炎を起こす菌や、インフルエンザその他のウイルス感染などが原因です。
症状、治療
足のしびれや力が入らないなど足から始まることが多く、徐々に麻痺が強くなっていき、やがて歩けない、手の力が入らないなど進行してきます。自然に治ることも多いですが、食べ物が飲み込めない、呼吸が弱くなるなどの症状が出ると、呼吸管理を含めた治療が必要です。ガンマグロブリン治療が有効です。