◎筋ジストロフィー
筋肉が徐々にこわれていくために、力が弱くなる病気です。いろいろなタイプの病気があり、それぞれ特有の遺伝子に異常が出たために起こります。病気により症状があらわれる年齢、進行の度合い、力が弱くなる部位が違い、合併症を持つこともあります。
根本的な治療法はありませんが、それぞれのレベルにより、関節が固まるのを防ぎ、筋力を保つ訓練や呼吸訓練などのリハビリ、心臓の働きを保つ治療、呼吸器感染の予防と早期治療、短をだす力が弱い場合の補助などが必要になります。
○福山型先天性筋ジストロフィー
生まれてすぐ、あるいは赤ちゃんのうちから症状が出始めます。筋肉が柔らかくて力が弱く、首のすわりが遅れるなどで気がつきます。すこしずつ発達し、かなり遅れますが、お座りまでできることが一般的です。脳の障害もあり、知能障害やけいれんを合併することもあります。呼吸障害、心臓の働きの低下などにより、20代で死亡します。
○デュシェンヌ型筋ジストロフィー
一人歩きをするまではほぼ正常ですが、三歳以降より走れない、階段が登れない、膝に手をついて立ち上がるなどの症状があらわれます。ふくらはぎの筋肉が硬く太くなります。筋力の低下は徐々に進み、十代前半で歩けなくなり、十代後半から呼吸や心臓の働きが弱くなり、二十代で死亡します。
○先天性筋強直性ジストロフィー
筋強直性ジストロフィーの母親から生まれた子供がかかることがあります。生まれたときから、筋肉の緊張や力が非常に弱く、人工呼吸管理が必要になることもあります。
ただし筋肉の症状は少しずつ良くなっていき、発達全体は遅れますが歩けるようにもなります。知能障害やけいれん、あるいは白内障や糖尿病などを合併することがあります。