◎急性気管支炎
原因
ウイルスや細菌の感染による気管支の炎症です。
症状
せきと発熱がおもな症状です。乳幼児では、呼吸のときにゼーゼーという音(喘鳴)が聞こえることがあり、ぜんそく様気管支炎といわれています。
診断
検査は胸部レントゲン撮影で気管支の壁が肥厚している所見があります。聴診器で呼吸音を聞くと粗く、気管支に分泌物が存在する雑音が存在します。血液検査でウイルス感染と細菌感染の鑑別をします。
治療
たんを出しやすくする薬や、細菌感染では抗生物質を内服します。症状が強ければ入院し、点滴による水分の補給や抗生物質の注射、たんを切る薬の吸入などで治療します。
◎急性細気管支炎
気管支より奥の細気管支の炎症です。冬に多く、6ヶ月前後の乳児がかかりやすく、RSウイルス感染が80パーセントを占めます。かぜ症状に続いて呼吸時にゼーゼーという音(喘鳴)と呼吸困難があれば入院です。水分補給の点滴や酸素吸入がおこなわれますが、重症例は人工呼吸器で呼吸管理が必要なこともあります。
◎肺炎
原因
ウイルスや細菌、マイコプラズマなどの微生物の肺への感染によりおこります。ウイルス感染は全年齢、細菌感染は乳幼児、マイコプラズマ感染は学童に多い特徴があります。
症状
発熱、せきが主症状で、呼吸困難を伴うこともあります。全身状態の悪化や呼吸困難があれば、入院となります。
診断
胸部レントゲン検査で、肺炎の影をみとめることによって診断されます。血液検査では白血球数や炎症反応の強さ、マイコプラズマ抗体価(微生物などの異物が体内に入ると、それを攻撃するために作られるタンパク質が抗体で、その値を調べることにより、微生物の感染が存在したかどうかの証明ができる)を調べたり、細菌培養検査により、原因微生物を特定していきます。
治療
せきやたんを出しやすくする薬の内服や吸入、水分補給のための点滴、抗生物質の内服または注射、酸素吸入で治療します。重症例では人工呼吸器による呼吸管理が必要なこともあり、現在でも乳幼児死亡原因の上位を占めています。