◎気管支喘息
原因
呼吸するときのゼーゼーという音(喘鳴)を伴った呼吸困難を発作性に繰り返す病気です。1〜5歳までに病気になることが多く、原因の多くはアレルギー、特にハウスダストとダニに対するアレルギーです。アレルギー反応により、気管支が収縮して空気の通り道を狭くするために、呼吸困難や喘鳴、セキが出現します。
症状
発作は重症度により三段階に分けられています。小発作は軽い喘鳴があり呼吸困難は軽度のものです。中発作はあきらかな喘鳴と陥没呼吸を認め呼吸困難があり、会話もとぎれがちになります。
大発作では著明な喘鳴、呼吸困難、起坐呼吸を呈し、ときにチアノーゼをみとめます。
治療
小発作では、ベータ2刺激薬(気管支を拡張する作用がある)を吸入します。
中発作では吸入を反復し、アミノフィリン製剤(この薬も気管支を拡張する作用がある)の静脈注射をおこないます。
大発作では酸素吸入下でベータ2刺激薬を吸入し、アミノフィリン製剤や副腎皮質ステロイド薬の静脈注射をおこない、血液が酸性になった場合は、それを補正します。されに増悪すればより強力な気管支を広げる薬(イソプロテレノール)の吸入や静脈注射、気管内にチューブを入れて人工呼吸器による呼吸管理が必要なこともあります。
発作の予防には、抗アレルギー薬の服用や吸入、気管支拡張薬やたんを出しやすくする薬を服用します。近年、副腎皮質ステロイド吸入薬の効果があきらかになり、中等症持続型と重症持続型では第一に使用することが推奨されています。また、アレルギーの原因であるハウスダストやダニ、カビ、動物上皮を除去することを心がけます。
具体的には、掃除機での床のほこりや、床をじゅうたんや畳ではなくフローリングに変える、寝具を豆に干し、ほこりを払うなど、純毛や羽根布団はやめる、枕もそばがらやもみがらは止めてスポンジかホームラバーにする、犬やネコなどのペットを飼わない、家族全員の禁煙などの生活環境の整備をします。さらに、水泳や歩行などの適度な運動で、体を鍛えることは大切です。
ぜんそく発作は、生命にかかわる重篤な状態におちいる可能性があることを認識し、発作を予防することに心がけ、発作時は医療機関を受診するようにしましょう。