◎心臓と血管の病気
○ファロー四徴
大きな心室中隔欠損、それにまたがる位置の大動脈(大動脈騎乗)、肺動脈狭窄、右心室肥大の四つの奇形を有する病気です。生後2〜3ヶ月ごろからチアノーゼがあきらかになります。その後、朝方や排便時、泣いたときに無酸素発作(肺へ行く血液量が少なくなりチアノーゼが増強、重篤であればけいれんを起こし、後遺症や死に至ることもある)を起こすことがあります。
無酸素発作を起こしたときは、胸膝位(胸と膝が付くような姿勢にする)で酸素を吸わせ(あらかじめ携帯用酸素ボンベを用意しておきます)、救急車で病院へ行く必要があります。無酸素発作を予防するためには、心臓の収縮を抑える薬(ベータ遮断薬)や相対的貧血に対する鉄剤の投与、さらに肺へ行く血液を増やす短絡手術(鎖骨下動脈と肺動脈を人工血管でつなぐ)が必要です。
歩くようになると、しばらく歩くと急にしゃがみこんだりします(しゃがんで胸膝位をとることにより、下半身の血液を心臓に戻りやすくしているのです)。以前は最終的な手術は4〜5歳でおこなわれていましたが、最近では一歳以下ですることが多くなりました。
手術は心室中隔を閉じるだけでなく、右心室から肺動脈への細い経路を拡大することが必要で、複雑な手術です。