◎腸重積
原因
腸が肛門の腸の中に入る病気で、原因の多くは不明です。時間がたつと腸が腐ってしまうので、早期の受診が大切です。
症状
六ヶ月ころから二歳ごろに多く見られます。元気であった子供が急に不機嫌になり、激しく泣いたり、痛そうにぐったりしたり、顔色が蒼白になることもあります。痛みは間もなく良くなりますが、その後再び繰り返し(間欠的腹痛)、吐くようになります。
経過の進行とともに、イチゴゼリー様の血便をみます。
診断
超音波(エコー)検査が有用です。腸が腸内に入った部分が画像上あきらかになり、診断が確定します。
治療
発病二十四時間以内であれば、X線透視をしながら肛門から造影剤を入れ、入り込んだ腸を戻します。最近では空気をいれたり、超音波検査をしながら生理食塩水を入れて治療することもあります。この方法で腸が戻らない場合や、発病からの時間が長く状態が不良の場合は、手術でお腹を開いて手で戻します。腸が腐っていれば、その部分を切り取ります。腸重積は早く発見し、早く治療すれば比較的簡単に治りますが、発病してから時間がたつと重篤になるので、保護者が是非知っておかなければならない病気の一つでしょう。