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スポーツにともなう怪我 つづき


○こむらがえり
 ふくらはぎの筋肉が引きつり、かたくなったものです。筋肉疲労や、水泳で急に冷えたときに起こりやすいです。足首や足の指をつかみ、ふくらはぎを伸ばします。温かいタオルをふくらはぎに当て、その上から軽くマッサージし、伸ばします。強いマッサージは痛みを増します。予防はアキレス腱や足底をのばすストレッチです。

○肉ばなれ
 急に力が入ったとき、筋肉の一部分や筋肉の膜(筋膜)が切れて内出血した状態です。
 RICEで応急処置をします。スポーツを続けるのは禁物です。肉離れがひどくなったものが筋断裂で、筋肉に触ると凹んでいます。応急処置は肉離れと同じです。

2011年4月30日

スポーツにともなう怪我


・「RICE」の応急処置
 傷がない場合や傷を処置したあとは「RICE」の応急処置が基本になります。
Rest(安静=患部を動かさない)
 スポーツを中止し、日陰や安全な場所で休む。患部を固定する。
Ice(冷却=患部を冷やす)
 氷のうやコールドスプレーで患部を冷やす。
Compression(圧迫=患部を圧迫する)
 患部を伸縮性包帯でややきつめに巻いたり、サポーターで圧迫する。
Elevation(挙上=患部を心臓より高くする)
 下肢の場合は仰向けに寝て箱や台にのせ、上肢の場合は患部を高く上げるか、寝て台や胸の上にのせる。

2011年4月28日

ぎっくり腰、寝違え つづき


○寝違え
 催眠中の頭の位置が悪いためにおこる首の筋違いと思われますが、それ以前に背中や腰のバランス筋肉のハリなどがないとよっぽどでない限り寝違えにはなりません。
 朝起きたとき痛くて首が回せなくなりますが、一時的なもので2〜3日で自然によくなりますが、それでも痛みが残る場合は背中や頚椎の捻れゆがみなどが残ったままの場合がほとんどです。
 風邪を引いている人や関節リウマチの持病がある人で、くび痛のあとに手足の動きが悪くなったり、手足のシビレが出たときには、早めに診察を受けましょう。

2011年4月27日

ぎっくり腰、寝違え


○ぎっくり腰
 中腰の動作や長時間の同じ姿勢のあと、ぎっくり腰をおこすことがあります。動くことができない腰の痛さです。ぎっくり腰や腰痛は膝の下に座布団を折り重ね、膝と背中を曲げる姿勢で寝ると痛みは少ないようです。
 激痛のため、神経や骨を痛めたのではと不安になりますが、腰の筋肉や靭帯を痛めたり、骨盤の関節がずれたりすることが多いようです。寝たり起きたり、立ったり座ったりなどで激しい痛みを感じます。いったん、起きたり立ったりすれば痛みは少し減ります。
 ・痛みを緩和する一つの方法
下腹部、お尻の位置にさらしや腰痛バンドをきつめに巻きます。へその下に巻くことが大切です、ぎっくり腰のときに腰をもんだりたたいたりするとかえって痛みが悪化することがあります。
 痛みがひどかったり、2〜3日しても良くならないときは、早めに整体を受けましょう。

落下・転倒によるけが つづき


さらにまたの付け根(股関節)の骨折も考えられます。骨折した側の足が痛くて動かせないため、軽い脳卒中のまひと勘違いされることもあります。脳卒中では足だけでなく同じ側の手の麻痺も見られ、痛みをあまり感じないのが特徴です。
いっぽう、骨折の場合は少し足を動かすと痛みがあり、これで区別がつきます。
 股関節の骨折は、寝たきりとなり、全身状態が悪くなって命にかかわることがあります。
 最近、骨粗しょう症に効果のある薬があります。高齢者の方は骨折していなくても一度、整形外科と相談してみるとよいかもしれませんね。

2011年4月25日

落下・転倒によるけが


落下・転倒による怪我では、高齢者の骨折が多くなります。高齢者は骨がもろいことが多く、ちょっとした転倒でも、整形外科を受診しましょう。
高齢者の場合
○転倒し手をついたとき
 手首の周囲が腫れて痛みがあり、動きで痛みが増し、ときに変形することがあります。手首の骨折が多く、必ず整形外科を受診しましょう。
 また、手をついたときに、肘や上腕を傷めることもあります。
○転倒したとき
 お尻やお尻の外側を打って痛みのために動けないときがあります。背骨がつぶれる脊椎圧迫骨折が考えられ、これは背中や腰が曲がる原因となります。
 神経まで悪くなることは少ないのですが、痛みで起きられず、寝たきりになることがあります。起きられなかったり痛みが続くときは、医師に診てもらいましょう。

四肢のけが つづき


◎上肢・下肢の骨折のとき
○上肢の骨折
 骨折したと思われる部分に副木を当て、上腕ではわきを密着させ、前腕では肘を曲げて胸に密着させ、ともに三角巾やシャツで腕をつるようにします。
 手首付近の骨折が疑われるときは、板のようなものを手のひらに当て固定し、できれば心臓より高い位置にします。
 指の場合は基本的には各指を少しずつ曲げたソフトボールをつかむような形で固定します。
○下肢の骨折
 骨盤や大腿の骨折では、多量の内出血で出血性ショックを起こすことがあります。骨盤骨折はシーツなどの大きな布を使い、丁寧に移動します。
 大腿骨のときは、腰から膝下まで長い副木を横に当て固定します。
 膝の近くでは、副木をしりから下腿まで後ろに当てます。
 下腿では副木を膝上から足首まで後ろに当て、足首や足の指では下腿から指まで当てます。副木がないときは段ボール箱に下腿をのせ、ガムテープで固定する方法もあります。下腿や足首、足指の骨折では仰向けに寝かせて足を上げると、腫れの予防になります。

2011年4月24日

四肢のけが つづき


○手当て
 まず、衣服を除いて、骨折部分を確認します。骨折部をのばすと、骨のずれが少なくなり、痛みをやわらげます。ただし、間接付近の骨折では、ずれがひどくなるでやめます。
 次に、副木などで固定します。副木は硬い材質を使い、身近なものでは枝、木材、かさ、杖、重ねたダンボールなどです。長さは骨の上下の関節異常の長さが必要です。大腿の骨折では腰ー足くび、上腕では肩ーひじまでの長さです。
 当て方は、副木と手足を幅の広いひもやハンカチで結ぶか、ガムテープで貼り、上下の関節も固定します。間にはタオルや布切れなどを入れ、クッションにします。しばった部分より先の皮膚の色や血の流れを常に注意します。
 運搬や移動の際は、しっかりと固定しても、骨のずれや痛み、ない出血が起きるので衝撃がないように静かに行います。
○気をつけること
 指が動く、あるいは歩けるから骨折ではないと早ガッテンをしてはいけません。
 骨折部の骨のかす(骨髄や脂肪)が血管内に入り、肺に詰まると肺塞栓症をおこし、呼吸困難となることがあります。それを防ぐためにも、しっかりした固定や静かな移動が重要です。

四肢のけが


◎骨折が疑われるとき
おれた部分がずれていない「ひび」も骨折です。
1・骨の一部に強い痛みがあり、そこを指で押すと極端に痛みがある。また、痛いがひどく、自分で動かすことができない。
2・ふつうでは曲がらない部分が曲がる、または異常な動きをする。
3・動かすと、ガリガリとかコツコツと骨のこすれあう音がする。
4・反対側に手足とくらべ短い、骨が異常に盛り上がり、変形している。
5・傷口から折れた骨が見える。

2011年4月23日

頭・顔・くびのけが つづき


○背〜腰・腹のけが
 高所からの落下で背中や腰を強打したとき、背骨や腰骨や骨盤のけがのほかに、反動で頭を打つこともあります。しりから落下した場合も背骨の圧迫骨折を起こすことがあります。骨折のほかに内臓破裂も考えなければなりません。背骨がずれると足が動かなくなること(下肢まひ)があります。
 土砂などの重いものが腹に落ちた、車に腹を引かれた、車の間にはさまれた、などは傷がなくても内臓破裂を起こしていることが多く、緊急を要します。
 はじめは体調がよくても徐々に悪くなる場合もあります。
 軽いけがでは打撲傷のことが多いでしょう。物の角などが当たったとき、内臓破裂を起こすことがあります。たって歩けたとしても安心せずに、顔色や尿の色などに注意しましょう。

頭・顔・くびのけが つづき


○胸のけが
 重いけがの場合は、
1・呼吸するのが苦しい、十分に呼吸ができない。
2・顔色が悪い、くちびるや指先が紫色になっている。
3・傷が深く肺まで達し、空気が傷口より漏れて出入りしている。
4・皮膚の下に空気が漏れ、皮膚を押すとピチピチしたような感じがする。
等の症状のときです。
 胸を重いものやハンドルで打ったり、機械にはさまれたとき、傷がなくても心臓や縦隔にけががあると重症になります。タンから血が多く出たり空気が漏れるときも重症です。息を吸うとき空気が漏れる場合はガーゼやハンカチで強く圧迫し、はくときに漏れる場合は軽く当てて、救急車を呼びます。
 重い症状がない場合、肋骨骨折や胸部打撲が多く、深呼吸や体を動かしただけでも痛みます。また、直後は痛くなくても、翌日または2〜3日後に痛くなることや、たんに少量の血が混じることがあります。
 応急手当は胸全体にきちっと包帯を巻くか、広い範囲をばんそうこうで圧迫しながら貼ります。ヒビも骨折で、肋骨打撲も骨折も同じ痛みがあり、応急処置はほぼ同じです。

2011年4月21日

頭・顔・くびのけが つづき


○鼻血の手当て
 意識がある場合、寝かせずに木や壁に寄りかからせ、鼻に綿やティッシュをつめ、鼻先の柔らかい部分を4〜5分間強くつまむと、止血することができます。
 意識がなく、上半身を起こせない場合は、血がのどに流れ込み窒息する恐れがあります。鼻に綿やティッシュをつめたあと、口を開け、血やつばを取り除きます。
○首のけが
 首に傷がつくことはほとんどありません。首の後ろは深い傷でなければ心配要りませんが、首の横やのどは皮膚の下に気管や脳にいく太い血管があり、大量出血や空気が漏れることがあります。急いで大きな病院にいきます。大きな衝撃力で首の筋肉や靭帯などが伸びると、捻挫や首の骨がずれることがあります。手足の動きを確かめ、動かない場合は急いで救急車を呼び、首と頭を固定し大きな病院に運びます。

頭・顔・くびのけが


○重いけがの場合
 意識がおかしい、呼吸が止まりそうだ、瞳孔(瞳の中心の黒い部分)の大きさが左右違う、開いている、頭皮の傷が深く骨が脳に刺さっている、出血とともに水のようなものが傷口から出てくる、激しい頭痛や吐き気、嘔吐、手足が動かない、しびれがある、などの場合は重症です。
○頭から出血している場合
 頭から出血がある場合はガーゼやタオル、ハンカチを当て、手で強く抑え圧迫止血をします。頭皮の出血は思いのほか多量ですが、おどろかないことです。
○頭の軽いけが
 こぶのような皮下出血やにじんだ出血な、氷水や冷たいタオルなどで冷やします。皮下出血がなくても、けが後1〜2日間、激しい頭痛や吐き気、嘔吐、手足のシビレ等に注意します。脳や首の神経に異常があることがあり、そのような状態があれば、脳外科のある病院を受診しましょう・
○顔のけが
 顔のけがは脳や首の神経が損傷していることがあります。
 軽いけがでも、特に目の周りの傷や腫れがあるとき、目の動きが悪かったり、二重に物が見えるとき、鼻が変形しているときは病院を受診しましょう。目の周りに骨折があると、二重にみえることがあります。

2011年4月20日

けがの手当て つづき


・刺し傷(とげ・針・くぎ・釣り糸など)
 とげの頭が出ているときは毛抜きやピンセットでとげ全体を取るように抜きます。周囲の皮膚をつまみ盛り上げると、出血しにくく、見えやすくなります。とげが表面に出ていないときは、消毒した縫い糸でとげの周りの皮膚を取り除き、頭を出して抜きます。抜いたあと、傷の周りを再度つまみ、血を絞り出すようにします。
 くぎは簡単に抜けますが、古いくぎではさびが残ったり、破傷風感染の危険があります。
 つり針は針先に「返し」があり、ひいて抜くことができません。釣り針を湾曲にそって押し、針先を皮膚から出して、ペンチで抜くことが出来ます。また、同じ様に針先を出して「返し」をペンチで切り、引き抜く方法もあります。そのときに、針が皮膚のなかに入らないように注意します。
・手足の水ぶくれ
 靴ずれなどでできた水ぶくれは、まず破らないように石鹸などで洗います。その後消毒し、消毒した針で水ぶくれを刺し、なかの水分を搾り出します。またガーゼやばんそうこうを少し圧迫するように当てます。
・爪がはがれたとき
 汚い指や足指は流水で洗い流し、消毒し軟膏をつけ、清潔なガーゼなどでおおいます。爪が一部ついているときは病院で手当てを受けましょう。最近では、爪を残すようにしています。特に足の親指では爪がないと歩くのに不自然な感じがするからです。爪は約三ヶ月で生えます。が締めは形が悪いですが、正常な形になることが多いです。

けがの手当て つづき


○簡単なけがの場合
 日常経験する小さなけがでも、しっかり止血することが大切です。
・打撲傷
 軽い打撲では、患部を厚手の弾力性包帯で巻き、心臓より高くして冷やします。
・切り傷
 傷を水道水などの流水で洗い流し、きれいにします。出血がひどいときには洗浄しません。
 その後、消毒し、ガーゼやハンカチでおおい、その上から少し強めに包帯やタオルを巻きます。 
 止血できないときや傷が深いとき、汚れた刃物で切ったときは、応急処置をしたあと医師の診察を受けます。
・すり傷
 体育館などの床、道路などで怪我をしたときは、糸くずや砂、ごみを水道水で洗い流し、消毒をします。傷に厚めに軟骨を塗り滅菌ガーゼをあて、包帯をやや強めに巻きます。
 すり傷は、床などの接触綿と体重で皮膚の中の部分(皮下組織)が押しつぶされるために、腫れあがる事があります。包帯を強めに巻くと、痛みと腫れが軽くなります。
 傷に砂やアスファルト片が入り込み、水道水で洗い流すことができない場合は、病院でとってもらいましょう。小さな異物が皮下に残ったりした場合、傷が治ってから変色などが残ることがあります。
・気をつけること
 以前は傷口を乾かすことがよいといわれてきましたが、必ずしもそうではありません。傷の治りが遅くなるからです。軟膏などで傷面の湿潤性をある程度保つことが、傷を早く治すことにつながります。

2011年4月18日

けがの手当て つづき


○けがの処置
 頭の傷は、頭皮をかき分けて見つけます。見つけにくいときは髪を短く切りますが、切った髪が傷口に入らないようにしましょう。切った髪の毛や砂、ガラスは掃除機で吸い取ったり、ガムテープでとります。
 包丁や太い木、鉄棒が深く刺さっている場合、抜くと大量出血することがあり、抜かないで急いで病院にいきます。
 傷に消毒液を塗るのはよくありません。消毒液が傷に入ると、治りが遅くなることがあるからです。傷口の回りから消毒し始め、傷の周囲を広く消毒します。
 ガーゼやハンカチをのせ、厚手の包帯で少しきつく巻くと、痛みが軽くなります。布や綿、ティッシュは傷に密着して取れにくく異物となりますので注意しましょう。
・気をつけること
 庭やグラウンド、畑などで怪我をした場合は小さな傷でも、化膿のほか破傷風に感染する恐れがあります。破傷風の感染は重症で生命にかかわることがあります。一般に破傷風はの傷はあまり化膿しません。傷が治ったかなと思ったところに、言葉が出にくくなり、口が開きにくくなるなどの特徴的な症状が多いようです。化膿防止の応急処置後、必ず病院に行き受診しましょう。

けがの手当て つづき


○けがの処置
 大きなけがや大量出血では、急場をしのぐ応急処置をし、急いで救急車を呼びます。
・出血や傷のないとき
 頭や胸、腹を打ったときは、傷がなくても、全身状態を見ることが大切です。上肢や下肢、指が変形し痛みがあるときは脱臼や骨折のことが多いです。
・出血や傷があるとき
 まず、止血をします。止血後、傷を触らないようにします。再出血や化膿することがあります。
 傷のごみ(異物)をとります。糸くず、砂、ガラス片は清潔な手やピンセットなどで取り除きます。砂や泥などは水道水で、油は石鹸水で洗い流します。十分に取れないときは、清潔なガーゼで軽くこすりとります。強くこすると組織を傷つけ、異物を押し入れることになります。
 とれない時や痛くてとれない時は無理をせずに病院でとってもらうようにします。傷内の異物は感染・化膿の原因となります。化膿していなくても皮下に残り、変色することもあります、異物を取ることが傷の手当の第一歩です。

2011年4月17日

けがの手当て つづき


○手当ての実際
 まず、けが人の意識(会話ができるか)や呼吸の状態、脈の有無(手や首、またの脈)、顔色を見ます。呼吸がないときは人工呼吸を、脈がないときは心臓マッサージをします。
 意識がないときは血がしみている衣服を、意識があるときはそのほかに痛い場所の衣服を、急いで開いたり破いたりします。大量に出血しているときは、きれいなタオルかハンカチを何枚か重ねて傷に当て、手または指で強く押し付け止血をします。ほとんどの場合、強く押えると血は止まります。押さえても出血するようなら、もう一度出血している場所を確認してから押えるか、もっと強く押し付けます。または間接止血法をおこないます。
 さらに、意識や呼吸や脈があっても、また出血がなくても、顔色が悪い場合、内臓や脳に出血していることもあります。
 骨盤や、大腿骨の骨折、内蔵が損傷していると、体内に大量の出血を起こします。脳の損傷でも徐々に意識がなくなったり、もうろうとしたりします。傷や出血がなくても安心せず、顔色や脈、呼吸、意識の状態を繰り返し見るようにします。
 全身状態がなければ、傷の手当に専念します。

けがの手当て


 けが人に遭遇したときは、次の点に注意しましょう。
1・落ち着くこと・・・・けが人の周囲の人もまず、慌てず落ち着くことです。冷静な判断や手当てをおこなうには気持ちを落ち着かせます。
2・安全が第一・・・・災害(地震や強風)では物が落ちてこない広い場所や物が飛んでこない場所に、けが人も自分も避難して、まず身の安全を確かめます。
3・二次災害の防止・・・・地震の場合、火元を消すことやガスの元栓を締めることが大切で、仕事中なら機械を止め、事故につながる薬品などを遠ざけるようにします。交通事故では、続いておこる事故を防止するために発炎筒をたき表示板などをおきます。犠牲者がさらに増える二次災害を防ぐ努力をします。また、人や動物を助けたり、物を取るために災害現場に行くなど、危険をおかすことはやめましょう。
4・けが人の状態・・・・けが人の意識がない、もうろうとしていたり、大きなけがのときは、他人の助けを借り、急いで救急車を呼びます。けがの程度によりますが、自分ひとりでけが人の処置・対応ができるか、また周囲の人の助けを借りたほうがよいか迷ったら、救急車や人を呼んだほうが無難です。いずれの場合でもすばやい判断が必要になります。

2011年4月16日

救急医療のしくみ、救急車の呼びかた


◎救急車の呼びかた
・119番へ電話する
 救急車を呼ぶときは局番梨の119番をダイヤル。電話を受けた消防署では「救急ですか、火事ですか」とたずねますので、はっきりと「救急です」と答えます。
 次に、所在地と、わかりやすい目標を伝えるようにしましょう。ビルやマンションの場合には、建物名や何階の何号室かを、道路上の場合は交差点名や目標となる建物なども説明します。
 そして、怪我や病気の原因と現在の様子などを簡潔に伝えることが大切です。

救急医療のしくみ、救急車の呼びかた


◎救急医療のしくみ
 日本の救急医療の整備は、1964年に厚生省の救急病院等を定める省令により救急病院、診察所が告示されることから着手されました。この背景には交通事故による死亡者、負傷者が急増し、いわゆる(たらいまわし)が社会問題化したことがありました。
 いっぽう、高齢化社会にともなう疾病構造の変化に対応するため、1977年から厚生省により初期救急医療施設から第二次、第三次救急医療施設へ流れる救急医療システムが構築されました。もっとも重症の患者さんは第三次救急医療設備で対応します。
 しかしプレホスピタルケア(病院に到着する前の救急医療体制)の遅れから、欧米社会と比べ日本の心肺停止患者の救命率が低いことが問題となり、1992年に救急救命士が誕生し、病院前救護体制の整備が図られています。
 救急救命士は医療従事者の一員として、さまざまな観察・処置を行っており、救命率向上に寄与しています。

2011年4月14日

止血のしかた つづき


・止血帯法
 腕や大腿、下腿の大きな傷で直接止血法ができない場合や、太い血管や切断面からの出血では大量出血となります。このようなときは止血帯法が有効です。専用の止血帯が近くにないときはネクタイ、スカーフ、ベルト、帯などを利用します。
 まず、止血帯で出血部より心臓に近い部分を強くしばります。棒などを利用して、より強い力でしばることもできます。
・気をつけること
 止血帯に細いひもや針金を利用すること、筋肉や神経、血管を傷つけるので使用できません。止血体の幅は3〜5センチが適当で、止血できる一回の時間は30〜40分です。止血を開始した時間を記録しておくようにします。止血を始めて約30分したら、2〜3分間、止血帯を一度ゆるめます。ゆるめる程度は、皮膚の色が赤みを帯び、傷口から血がにじみ出るくらいが適切です。

止血のしかた つづき


◎止血の方法
 手や腕の出血では、その部位を圧迫し、心臓より高く上げることで出血が少なくなります。直接と関節の止血法があります。
・直接圧迫止血法(直接止血法)
 出血部に当てたガーゼや布の上から、数分間、手やばんそうこうでしっかりおさえたり、包帯を少し強めにまくなどして直接圧迫する確実で簡単な止血法です。
・間接圧迫止血法(間接止血法)
 出血部より心臓に近い動脈を圧迫し血の流れを止め、止血する方法です。血の流れを止めることは難しく、止血帯法のほうが確実です。
 太い血管の付近での出血は、止血の応急手当をしたら、急いで病院を受診します。

2011年4月13日

止血のしかた つづき


●出血性ショックの症状
 短時間の出血はショックとなります。ショックのときは、ぼんやりし無表情で、呼びかけに対しての応答がにぶい、皮膚は蒼白で冷たく、冷や汗をかく、呼吸は浅く速い、脈拍は弱く早いなどの症状が見られます。このような場合は、放置すると死に至る重症の症状です。ただちに応急手当をし、救急車を呼ばなければなりません。
・ショック体位(ショック時の寝かせ方)
 ショック時には、仰向けに寝かせ、座布団などを足の下に置き、両足を
15〜30センチほど高く上げます。
 次にベルトやネクタイを緩め、体に毛布や衣類をかけて保温につとめます。救急車がくるまで絶対に患者のそばからはなれず、声をかけ元気付けるようにします。
・頭に怪我をしていたり、足に骨折がありグラグラしている場合
 急にショック体位をとると、全身状態がわるくなることがあります。頭に怪我をしていたり、足に骨折があったら固定し、仰向けに寝かせることが大切です。

止血のしかた つづき


1・動脈性出血
 鮮やかな赤色(鮮紅色)の血液が勢いよく拍動性にピューピューと出血します。自然に止血することは少なく、太い動脈では大量出血し、ショックになり死に至る重症の出血です。至急、救急車を呼びます、その間は止血の応急処置をおこないます。
2・動脈性出血
 暗赤色の血液がドロドロと湧き出るように出血します。細い静脈の出血は出血部を強く圧迫すると容易に止血できますが、太い静脈の出血は止血できにくく、出血性ショックになることがあります。
 止血には、手術で血管を焼いたりしばる永久的に止血する方法と一時的に血を止める方法がありますが、応急手当で行えるのは一時的な方法で、おもに出血部を指で圧迫すること、布でしばることです。
 脳梗塞や心臓病などで服用している薬の中には、血液をさらさらにして止血をしにくくするものがあります。のため血液が止まりにくく、多量出血となることもあります。

2011年4月11日

止血のしかた


 成人が短時間で500〜800ml以上、出血すると、出血性ショックとなり、さらに1000〜1200ml以上の出血で生命の危険があるといわれています。出血には内出血と外出血があります。
 外からは見えないからだの内部の出血が内出血です。打撲のあと、皮膚が赤青くなる皮下出血や胸部動脈瘤破裂の胸空内出血、肝臓破裂の腹腔内出血、交通事故の骨盤出血などがあります。
 体表面の傷からの出血が外出血で、ふつうに言われている出血です。
 血管の種類により動脈性出血、静脈性出血、毛細血管性出血に分かれます。

気道の異物除去、体位の確保


体位の確保のしかた
 意識はないが、呼吸や循環のサインがある場合は、頭と体を横向きにして、あごを軽く上げた姿勢にします。
 こうすることで舌根沈下を防ぎ嘔吐した場合でも誤嚥する危険性が少なくなります。もちろん、時々ようすを見て救急隊の到着を待ちます。

2011年4月10日

気道の異物除去、体位の確保


気道の異物除去
 以前は、一般市民による異物の除去方法としてハイムリック法が紹介されてきました。しかし、2000年以降は、十分に訓練された人にしか勧めていません。
 その理由は、
1・一般市民は異物を取ることに注意が行き過ぎて心肺停止状態であることがわからず、心臓マッサージが遅れることがある、
2・ハイムリック法をしていて肝損傷などをおこす危険がある、などです。特に心肺蘇生が遅れることは避けなければなりません。そのため、現在では、背部叩打法などにより、異物の除去をすることが推奨されています。
 まず、心肺蘇生を優先し、呼気吹き込みのたびに口の中をのぞき、「もし異物が見えたら、取り除く」ようにしてください。
 成人での気道閉塞状態は、たいてい肉や餅などがのどにつまっておこります。食事中に突然しゃべらなくなったりしたときには気道異物による窒息を疑い、異物除去をおこないます。

除細動器(AED)の使用


2004年から一般市民にも除細動器(AED)の使用が認められました。これまでは医師・救急救命士・飛行機の客室乗務員にしか使用が認められていなかったものです。
 突然、意識を失って倒れる人のうち、その原因として比率が高いのは心臓に何らかの異常がることです。なかでも「心室細動」と呼ばれるものは、早期に除細動を施すことで、もとの心臓の動きを取り戻すことができます。この除細動は一分遅れるごとに7〜10%ずつ救命率が下がるため、救急車の到着を待っていては間に合わないことがあります。
 もし、身近にAEDがあれば、ただちに使用するようにしましょう。使い方は簡単ですが、一度講習会などを受講されておくとこをお勧めします。
・AEDの操作法
 AEDによる除細動は救命の連鎖の三番目に当たります。
 機種によって細かい操作は異なりますが、すべてAEDが指示を出してくれますので、その指示に従ってください。

2011年4月 9日

心臓マッサージ


●人工呼吸と心臓マッサージを交互に
 意識がなく、呼吸をしていない、さらに循環のサインもなければ、「心臓マッサージ15回」「人工呼吸二回」の心肺蘇生法を交互に繰り返します。
 そして救急隊が到着するまで、時々傷病者のようすを観察しながら行ってください。
 心肺蘇生法では決してあきらめないことが肝心です。通常心臓が止まって4分以上たつと脳が死んでしまいます。救急隊が到着するのは全国平均で約6分。つまり救急隊が着てからでは遅いのです。
 目の前で倒れた人を、何もせずそのまま見ているだけでは、命のの連鎖は途切れてしまいます。しかし、勇気を持って手をさしのべ、救急隊に救命の連鎖を引き継ぐことが大切です。
・気をつけること
 心臓マッサージと人工呼吸を4サイクル(約一分)繰り返したあと、一度蘇生法を中断して、循環のサインを確認します。
 もし循環のサインがあれば、心臓マッサージを中断して、呼吸があるかどうか調べます(見て・聞いて・感じて)。呼吸がなければ口対口人工呼吸を5秒に一回程度続け、救急隊の到着を待ちましょう。
 また、心肺蘇生法を続けていると、だんだんと心臓を押す位置がずれてきたり、気道確保の姿勢がくずれてきたりすることがります。毎回位置の確認をしながら蘇生法を続けることが大切です。

「循環のサイン」の確認、心臓マッサージ つづき


●心臓マッサージは15回
 循環のサインがなければ心臓が動いていません。直ちに心臓マッサージをします。
 心臓を押す場所は、肋骨の下半分(乳頭を結んだ線の真ん中)です。剣状突起の圧迫は避けましょう。傷病者の肋骨の一番下から自分の人差し指と中指の二本を移動させていくと、中指を目印に、反対の手を胸骨に当て、剣状突起を探っていた手を上に添えて胸骨を押します。このとき、肋骨を折らない程度の強さで胸の厚さの3分の1程度まで押します。押す回数は15回が目安です。速さは一分間に100回程度です(成人の場合)。

・気おつけること
 心臓マッサージのとき剣状突起の圧迫は避けるようにします。剣状突起を押してしまうと、おれた剣状突起が肝臓や心臓に刺さってしまう恐れがあるからです。 
 また、心臓マッサージは固い板の上でするようにします。柔らかい布団の上では効果が半減します。体の下に固い板を敷きこむか、人手があれば床におろしてから取り掛かりましょう。

2011年4月 7日

「循環のサイン」の確認、心臓マッサージ


●「循環のサイン」は息・せき・動き
 「循環のサイン」とは、心臓が動いているかどうかを知るサインのことです。二回の人工呼吸によって相手が息を吹き返したかどうかを確かめなければなりません。具体的には、
 1・息をしているか、目で胸の動きを見たり、耳を傷病者の口に近づけて呼吸の音を聞く。
 2・せきがある。
 3・体の動きがあるか、自分の上半身をやや持ち上げて全身をさっと見回します。
これらを10秒以内に見ます。ごろあわせで「息・せき・動き」と覚えるとよいでしょう。
 従来行われていた脈の確認は、現在では一般の人は行いません、医療従事者に任せましょう。
 これまでは心臓が動いているかどうかは、脈を触れることで確認していました。しかし、一般の人では確認に時間がかかり、また実際には脈を触れないにもかかわらず「触れる=心臓が動いている」と間違ってしまうことが約10パーセントに見られることがわかりました。
 この場合、傷病者は心臓マッサージを受けることなく死んでしまいます。このような危険をおかしてまで脈の確認をする必要はなく、代わりに「循環のサイン」を用いることになりました。

気道確保と呼吸の確認、人工呼吸 つづき


気おつけること
 力任せにたくさんの息を吹き込みすぎると、肺だけでなく、食道を通って胃にも空気が入ります。すると、胃の中の食べ物が逆流して嘔吐を誘発し、肺に入ってしまう危険性が増してしまいます。息の吹き込み量は胸が上がる程度で十分です。
 また、息がうまく吹き込めないからといって、何度もやり直したりする必要はありません。
 なお、倒れている人が吐血や嘔吐があり、口対口の人工呼吸をするのに抵抗感がある場合は、無理にする必要はありません。むしろ心臓マッサージが遅れることのほうが命に直結します。

2011年4月 6日

気道確保と呼吸の確認、人工呼吸 つづき


●呼吸確認は「見て・聞いて・感じて」
 気道が確保されたら、息をしているかどうか確認します。確認方法は、倒れている人の胸が上がっているかどうかを「見て」、倒れている人の口元に自分の耳を近づけて呼吸音を「聞いて」、さらに相手の吐息を自分の頬で「感じて」下さい。
 確認には10秒以上かけないことが大切です。胸の動きがなく、吐息を感じないときは「呼吸がない」と判断します。呼吸がないと思ったら、直ちに人工呼吸を開始します。

●人工呼吸は二回が目安
 通常、人工呼吸は口対口で行います。先ほどの気道確保の姿勢のまま、まず、おでこを押さえている手の親指と人差し指で相手の鼻をつまんで穴をふさいでください。次に大きく息を吸い込んでから自分の口を相手の口に当て、くうきがもれないようにゆっくりと息を吹き込んでいきます。このとき、横目で胸を見て、軽く持ち上がる程度に約2秒かけて息を入れましょう。
 口を離すと、自然に相手の胸が下がり、息が吐き出されます。これを二回繰り返します。

気道確保と呼吸の確認、人工呼吸


 気道とは空気の通り道のことで、この通り道が確保されないと酸素が体の中に入っていきません。後に続く心臓マッサージなどは、気道が確保されて始めて有効にはたらきます。心肺蘇生法のなかでもっとも大切なもの、それが「気道確保」です。

●気道確保は「頭上げて・あご上げて」
 助けを呼んだら、まず傷病者の気道を確保します。片方の手を倒れている人のおでこに当て、頭を軽くそらせます。もう一方の手の人差し指と中指であご先を上に持ち上げます。この方法が「頭部後屈・あご先拳上法」
と覚えてください。これにより舌がのどの奥に落ち込んでしまう(舌根沈下)を防ぐことができ、空気が通るようになります。

2011年4月 4日

救命・応急手当


●助けを呼ぶ
 意識がなければ、すぐに大声で助けを呼びます。
 「すみません、そこの○○さんっ!すぐに119番に電話して救急車を呼んで」
 知っている人がしたら名前で「○○さん」、知らなければ「青い服のあなた!」と指名して、相手に自分のことだなとわかるようにします。 
 もしも救急車を呼んだあとで、倒れている人をよく観察したら、意識もあり、心肺停止ではなかった、ということがあります。
 この場合、救急車の到着後、救急救命士に見てもらってから病院へ搬送するかどうか決めていただきましょう。
 決して大げさにしてしまった、などと思わないように。結果として大事に至らずよかった、と考えましょう。
 救急隊は常に万が一に備えて出動しています。手遅れになる前に、119番通報をすることが大切です。

救命・応急手当


●意識のある・なしを見る
 安全が確認されたら駆け寄って、優しく肩をたたきながら声をかけます。
「大丈夫ですか?」
「わかりますか?」
 知っている人なら名前を呼びかけてみましょう。それでも反応がない場合は、「この人は意識がない」と判断します。
気おつけること
 肩をあまり激しくゆすったりしないように。外傷が原因の場合は、頚椎(首の骨)に損傷を受けていることがあります。
 あくまで「やさしく、しっかり」と声をかけてください。

2011年4月 2日

救命・応急手当の手順


 大切なことはあわてないこと、そして必ず助けを呼ぶことです。一人で頑張ってはいけません。
 また、自分自身の安全確保も重要です。助けに行ったはずが、逆に傷病者をふやす(自分自身が助けられる側になってしまう)事は避けましょう。
 さらに感染防御も大切です。見ず知らずの人に人工呼吸をするときに肺炎やエイズ、その他未知の感染症にかかる危険性があります。
 感染防止の市販品として呼気吹き込みマスクやキーホルダー型のフェースシールドが市販されています。
 ふだんからバックのなかに携帯しておくとよいでしょう。
 倒れている人がいたら、まず周りが安全かどうか確認します。上から物が落ちてきて倒れたのかもしれません。道路わきに倒れている人を見かけて、すぐに駆けよろうとしたら車にはねられたということにならないようにしましょう。
 ・気おつけること
 自分の危険を顧みず、その場に飛び込んでいくのには十分注意を。はた目にはカッコよくても、まず、安全確認が大切です。



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